中共がイランで得る実利とは なぜ中共は支援しないのか

2026/01/09 更新: 2026/01/09

近年、中国共産党(中共)とイランの協力関係は着実に深化しており、経済、エネルギー、軍事、戦略の各分野で緊密に結びついている。しかし、その「友情」はどの程度深いのだろうか。今回のイスラエル・イラン間の衝突に際し、中共が具体的な支援を行わず、言葉による声援にとどめた背景には何があるのだろうか。

中共はイランを最も親しい同盟国の一つと位置づけ、複数の分野で明確な利益を確保してきた。国際社会がイランに制裁を科す中でも、中共はたびたび関係強化を図り、戦略的パートナーとしての立場を堅持してきた。

2021年には、両国が25年間にわたる包括的な協力協定を締結し、さらなる連携強化を図った。ただし、この協定の具体的な内容については公開されていない。

経済面において、中共はイラン最大の貿易相手国となっている。特にエネルギー分野での依存が顕著であり、中共はイランから毎月約4300万バレルの原油を輸入している。これはイランの石油輸出量の約90%にあたり、中共の原油輸入全体の13.6%を占めている。

インフラ整備においても、中共は積極的に投資を行っている。昨年は10億ユーロを投じてイランに太陽光発電所を建設し、プロジェクト完成後には年間20億キロワット時の電力供給が可能となる体制を整備した。また、鉄道輸送や交通インフラの分野でも協力を拡大している。

軍事面では、中共はミサイルやレーダー、航空機などの装備をイランに提供し続けており、イランの原子力発電所やウラン濃縮施設の建設にも深く関与している。ただし、中共はこれらの関与について公には認めていない。

中共とイランの関係は単なる経済的利害を超え、戦略的な連携へと深化している。両国は米国を中心とする西側諸国に対抗する明確な姿勢を示し、既存の国際秩序の転換を狙っている。

しかし、イスラエルとイランの間で軍事的緊張が高まる中、中共はイランに対して実質的な援助を提供せず、外交部の口頭発言にとどまった。

イランがホルムズ海峡の封鎖をちらつかせた際も、中共は即座に明確な態度を示さず、様子をうかがう姿勢を保った。これは、同海峡の封鎖が中共自身に甚大な損害をもたらす可能性があるためだとみられる。

時事評論家の横河氏
「ホルムズ海峡を経由する原油および石油製品の輸送量は、1日あたり約2100万バレルに達し、世界の海上貿易の20%から30%を占めている。そのうち約90%がこの海峡を通じて輸出されており、その大部分は中国向けだ。もし封鎖されれば、最大の損失を被るのはイランであり、次いで中国が大きな被害を受けることになる」

分析によれば、中共の外交方針は米国への対抗を基軸としている。しかし、今回の衝突において中共は、イランを支援することが自国の利益を大きく損なうと判断し、最終的には同盟関係よりも自国の利益と安全保障を優先した。

横河氏
「仮に中共がイランに報復のエスカレートを促した場合、それは反米戦略に合致するものの、事態が深刻化すればエネルギー安全保障や『一帯一路』構想の利益に致命的な打撃を与える。中共の中東における影響力は限定的でありながら、自国に跳ね返る損失は極めて現実的だ」

横河氏
「中共が米国に深刻な損害を与えられると見込めば、一定の犠牲を払う覚悟もあるだろう。しかし、現段階では米国に打撃を与えられないと判断し、やむなく一部の利益を守る選択を下した」

 

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