イラン全国ネット遮断 抗議活動が12日目突入 革命防衛隊展開 トランプ氏警告

2026/01/09 更新: 2026/01/09

イラン時間の1月8日午後8時ごろ、イラン全土でインターネットが遮断された。国内では抗議活動が12日目に入り、参加する市民が増え続けている。

インターネット監視企業NetBlocksは声明を発表し、「イランで全国規模のネットワーク障害を検知した」と報告した。声明では次のように述べている。
「リアルタイムデータによれば、イランは現在、全国的なインターネット障害の最中にある。この事態は、全国各地で拡大する抗議活動を受け、段階的に強化されたデジタル検閲措置の結果として発生したものであり、この重要な時期において国民の通信の権利を著しく妨げている」

イランの複数の主要都市では、12夜連続で抗議デモが続いている。この大規模な社会不安は、経済危機と生活水準の低下が引き金となっている。イラン通貨の急落により、物資不足と物価高騰が発生し、2025年12月末以降、各都市で抗議が相次いでいる。

テヘランをはじめ、これまで騒乱がほとんど見られなかった複数の都市でも大勢の人々が集結した。イラン政府は抗議者に対し、暴力的な鎮圧に踏み切った。

アメリカのトランプ大統領は、イラン政府に対し「平和的な抗議者を弾圧してはならない」と警告を発した。8日、大統領は改めて公開の場で、「もしイラン政府が抗議者を殺害すれば、アメリカはイラン当局に対して『非常に厳しい』報復措置を取る」と表明した。

1月6日、イラン治安部隊がテヘランのバザールで催涙ガスを使用し、抗議者を排除した(UGC/AFP)

イラン全土インターネット遮断:NetBlocksが政府検閲指摘

非営利組織Miaan Groupのイラン人サイバーセキュリティ研究者アミール・ラシディ氏はTechCrunchに対し、「現在、私たちはほぼ完全に外界との接触を失っている」と述べた。

世界的なインターネット解析企業Kentikのネットワーク分析責任者ダグ・マドリー氏も同様の状況を確認した。マドリー氏は「テヘラン現地時間の午後8時以降、イランのネットワークは『ほぼ完全な断絶状態』にある」と語った。

さらに、通信基盤企業Cloudflareや監視サイトIODAも、同時期にイラン各地で突発的なネット接続断絶を観測した。Cloudflareのデータインサイト責任者デイビッド・ベルソン氏は「わずかな通信量は確認しているが、実質的に国全体が完全断網状態にある」と述べている。

ラシディ氏によれば、イラン政府は平時から国内インターネットアクセスを厳重に統制しており、今回の通信遮断についても政府による指示または黙認があった可能性が高いという。

TechCrunchはこの件についてイラン政府の駐米代表機関にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

全国に広がる抗議行動  テヘランでは革命防衛隊が展開

ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)上に拡散している最新の動画によると、1月9日未明のテヘランでは治安維持を担当していたバスィージ民兵組織が撤退し、代わってイスラム革命防衛隊の兵士が配置された。観測筋の間では、イラン当局が軍を投入して弾圧を強化する恐れがあるとの懸念が高まっている。

英国BBCペルシャ語チャンネルは、ネット上で急速に拡散する抗議デモ映像を検証し、抗議が確認されたのはテヘランのほか、北部のマザンダラン州・ゴレスターン州、西北部のアルダビール州、南部のキシュ島であると報じた。

報道によると、抗議者らは1979年以前のパフラヴィー王朝への支持と、イラン最高指導者ハメネイ師への反対を訴えている。

また、故レザー・パフラヴィー国王の息子が市民に向け、「今夜、街頭に出て抗議行動を起こそう」と呼びかけた。ネット上に投稿された動画には、イスファハーンにあるイラン国営テレビ局の建物が放火された様子も映っている。

2026年1月3日、イラン西部イーラーム州マリークシャーヒー地区での抗議者(UGC/AFP)
1月6日、イラン治安部隊がテヘランのバザールで催涙ガスを使用し、抗議者を排除した(UGC/AFP)
林燕
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