中国の出生人口は900万人割れ危機 2025年新生児871万人予測 若者「寝そべり」加速

2026/01/16 更新: 2026/01/16

中国当局は1月19日に人口データを公表する予定であり、これにより中国の出生率が4年連続で低下していることが明らかになる見通しである。

国連の報告書は、中国の2025年の新生児数を約871万人と予測している。独立系人口統計学者の何亜福氏も「2025年の出生人口はほぼ確実に900万人を下回り、過去最低を更新するだろう」と述べた。これにより、中国の新生児が世界全体に占める割合は初めて7%を下回る見通しである。

中国新生児 世界シェア27%から7%未満へ急落

1964年当時、中国の新生児は世界全体の27.3%を占め、4人に1人は中国で生まれていた。しかし今日では、その割合は1割にも満たず、中国の若い世代の出産観が大きく変化していることを示している。

結婚件数が減少したことが出生率低下の大きな要因になっているという。2024年の結婚登録件数は前年同期比で20%減の610万組で、10年前の半数以下にとどまった。

出生率の低下はもはや新しい現象ではない。2022年には出生人口が956万人まで減少し、1949年の中国共産党(中共)建政以降で初めて1千万人を割り込んだ。2023年にはさらに902万人となり、過去最低を更新した。

2024年には一時的に出生数が回復し、前年比6%増の954万人となったが、これはコロナ禍後に結婚登録数が増えた影響である。それでも、2024年の出生数は2016年のピーク時のわずか半分にすぎない。

中国政府は2016年に「二人っ子政策」を導入し、2021年には「三人っ子政策」へとさらに緩和したが、効果は見られていない。

養育費の高さが出生意欲を抑制

子育て費用の高騰が出生率低下の主因となっている。シンクタンク育媧人口研究智庫が2024年に発表した調査によれば、中国で子供を高校卒業まで育てる平均コストは約53万8千元(約1130万円)に達する。北京や上海などの一線都市では88万5千元(約1860万円)を超える。

ややゆとりのある家庭を想定しても、月収はおおむね7千~8千元(約14万7千~16万8千円)、年収で8万4千~9万6千元(約176万~202万円)ほどであるのに対し、子供1人あたりの月間養育費は約2490元(約5万2千円)。収入の3分の1を占める計算になる。

『日本経済新聞』の分析によれば、子供を18歳まで育てるコストは中国の一人当たりGDPの6.3倍に達し、韓国に次いで高く、アメリカ、日本、ヨーロッパ諸国を上回る水準である。

経済低迷で若者は出産を敬遠

中国では16~24歳の若年層失業率が2023年6月に過去最高の21.3%に達し、5人に1人が失業していた。その後、中国国家統計局は若年失業率の公表を数か月間停止した。

のちに当局は統計方法を変更し、在学中の若者を対象から除外したが、失業率は依然として高く、2025年11月時点で非在学の16~24歳青年の失業率は16.9%に達している。2025年の大学卒業生は過去最多の1222万人に上り、多くの若者が「卒業即失業」という状態に陥っている。

中国の市民・楊健(仮名)氏は大紀元に対し、自身の住む地域では90年代生まれや2000年代生まれの多くが結婚しない選択をしていると語った。

「結婚してどうするんですか? 一人で稼いで好きな物を食べて過ごす方が気楽ですよ」と述べ、「今は多くの親も理解していて、子供が結婚しなければ孫の世話もしなくて済む」と話した。

25歳の荘義(仮名)氏は、中国社会が中共政権のもとで過剰競争に陥っており、仕事を見つけるのも難しいと訴えた。就職しても過酷な残業を強いられ、給料も遅れがちだという。

「誰も『家を持ち、家庭を築こう』という気になれない。先の見えない状況で希望がない」と語り、「だからこそ『寝そべる(躺平)』しかない」と心情を明かした。「仕事が見つからず、家で寝そべって過ごすしかない。やりたいことはたくさんあるが、何もできない」とも述べた。

政権への絶望 「私たちは最後の世代」

2022年、上海のロックダウン期間中、隔離を拒否した男性が警察から「三代にわたって影響する」と脅された際、「私たちは最後の世代です。ありがとうございます」と応じた。この言葉は瞬く間にネット上で拡散し、「時代の声」と呼ばれた。中共による専制統治に直面した若者世代の絶望と抗議を象徴している。

別のユーザーはこう訴える。「子供を産むのは苦しませるためではない。いま、学校での自殺事件や社会への報復による傷害事件が相次いでいる。社会問題が山積するなか、まずは今いる国民を守るべきだ。そうでなければ、誰が安心して次の世代をこの社会に送り出せるだろうか」

紀語安
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