米アップルCEO メモリ不足が1~3月期に影響拡大と指摘

2026/01/30 更新: 2026/01/30

米IT大手アップルのティム・クックCEOは29日、同日行われた決算説明会で、世界的なメモリチップの価格上昇と供給不足が同社の収益性に影響を及ぼし始めていると明らかにした。影響は2026年1~3月期に、より顕著になるとの見通しを示した。

クックCEOは、現在のメモリ市場について、価格が引き続き大幅に上昇していると説明した。アップルの10~12月期は新型iPhoneの販売が好調で、メモリ価格高騰の影響は限定的だったとしつつ、1~3月期については「より大きな影響が出ると予想する」と述べた。

アップルは「驚異的」なiPhone需要に対応するため、さらなるメモリが必要になる見通しだが、業界全体でDRAM不足が指摘されるなど、供給環境は急速に悪化している。

背景には、人工知能(AI)分野への世界的な投資拡大がある。生成AI向けデータセンターでは、高性能で高単価なHBM(広帯域メモリ)やサーバー向けDRAMの需要が急増しており、主要半導体メーカーはこうした製品に生産能力を集中させている。

この結果、スマートフォンやパソコン向けに使われる汎用DRAMの供給が後回しとなり、在庫が逼迫している。調査会社のTrendForceは、2026年第1四半期のDRAM契約価格が前期比で55~60%上昇すると予測している。

韓国の半導体大手SKハイニックスも、DRAM不足がPCやスマートフォンの製造に影響を与えていると指摘しており、メーカー各社で調達数量を調整する動きが出始めている。

メモリ不足は、今後のデジタル機器市場にも影響を及ぼす可能性がある。クックCEOは、メモリ不足を理由とした端末価格の引き上げについては明言を避けたが、メモリは部品コストに占める比率が高く、業界全体で価格維持が難しくなりつつある。

TrendForceは、アップルについても新モデルの価格戦略の見直しや、旧モデルの値下げを見送る可能性があると分析している。

市場全体については、IDCやカウンターポイントが、2026年の世界スマートフォン販売台数の見通しを従来の増加予測から、少なくとも2%の減少へと下方修正した。PC市場についても、前年の成長から一転し、少なくとも4.9%の縮小が見込まれている。

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