台湾人の中国渡航後の連絡途絶・拘束事案が急増 専門家が警鐘

2026/01/31 更新: 2026/01/31

2025年に台湾人が中国大陸で連絡不能となったり、留め置きや取り調べを受け、身体の自由を制限された事案は累計221人に上り、2024年の4倍に増えたと台湾の大陸委員会が公表した。専門家は、中国共産党(中共)が中国人の台湾旅行を制限している最大の理由は、中国人が台湾の民主と自由を自ら体験することを恐れているためだと指摘した。

台湾人が中国大陸で自由を制限される事例はこれまでも伝えられてきた。1月27日、中華民国大陸委員会はSNSで、2025年に台湾住民が中国渡航後に連絡不能となったり、留め置きや取り調べを受けたり、身体の自由を制限された事例が221人に達したと明らかにした。2024年の55人と比べて4倍に急増しており、リスクは軽視できないとした。

台湾・中央大学客家語文および社会科学系の曾建元副教授は「近年、中共の国家安全関連法制が一段と厳格化している。反スパイ法などの法律について、台湾人はその性質や規制の厳しさを十分に理解していない。台湾では政府批判は日常的なことであり、政治的な警戒心が不足している台湾人は中国大陸で問題に巻き込まれやすい」と述べた。

大陸委員会は、これまで台湾住民が中国旅行中に緊急事態や旅行トラブルに遭遇した場合、台湾旅遊交流協会と海峡両岸観光交流協会を通じて即時に連絡を取り対応してきたと説明した。一方で中国共産党政府が一方的に双方の連絡を中断したため、台湾住民が中国で遭遇する旅行の質や安全の問題が有効に処理・保障されなくなり、中国旅行のリスクが高まっていると指摘した。

曾建元副教授は蔡英文政権以降、中国共産党軍はほぼ毎日のように台湾周辺の海空域に進出している。これまでの利益誘導が奏功しなかったため、現在は威嚇によって台湾政府に九二共識を受け入れさせようとしているが、中共にはこの点で後ろめたさがあると述べた。

台湾・政治大学国家発展研究所の李酉潭客員教授は「2016年に台湾の有権者が民進党政権を選択して以降、中共は台湾に対する圧力と浸透を強め、両岸交流を一方的に停止した。中国当局は中国大陸住民の台湾観光を対台湾政策の手段とし、台湾の選択に不満を抱いて交流を遮断した」と述べた。

大陸委員会は、台湾住民が中国で緊急事態や旅行トラブルに遭遇した場合、双方の連絡メカニズムが欠如する中で団体旅行を再開することは、住民を「助けを求める術のない」リスクにさらすことになると注意を促した。

曾建元副教授は「中国大陸に渡れば、両岸の状況を比較することは避けられず、中共の専制的で集権的な統治に対する批判が生じやすい。それが中国大陸の敏感な神経に触れる。中共の政治的統制は以前より厳しくなっており、台湾人に対する入境時の取り調べが増加するのは当然だ」と述べた。

大陸委員会は、台湾政府は中国大陸からの観光客を歓迎しており、第三地域経由の中国人観光客や金門・馬祖観光をすでに開放していると強調した。中国人が台湾を訪れるには中国当局が発行する通行証が必要だが、中国側が発行や出境を認めず、台湾が中国人観光客を阻止していると非難していると説明した。

李酉潭客員教授は「中国大陸の人々は台湾を訪れ、中共の宣伝とは異なり、台湾の自由、民主、繁栄、公平、住民の友好性や医療制度などを目の当たりにしてきた。両岸交流はむしろ中国大陸の人々に中共の専制統治の実態を見せることになるため、中国当局は中国人の台湾訪問を恐れている」と述べた。

曾建元副教授は「過去の経験から、中国の団体旅行は行程や消費が一括管理され、中国当局は団体の移動ルートや日程を制限し、監視している」と述べた。

大陸委員会は、北京政府に両岸観光再開の意思があるのであれば、海峡両岸観光交流協会が台湾旅遊交流協会の呼びかけに速やかに応じ、観光再開後の関連課題について協議を進め、両岸観光を早期に正常化させるよう求めた。

李酉潭客員教授は「中共の専制体制が国内では抑圧を行い、対外的には浸透と破壊を進めている現実を直視すべきだ。台湾はその最前線にある。中共の対台湾政策は名目上は統一だが、実質は台湾の侵略と併呑だ」と述べた。

中華民国外交部の渡航警示では、中共当局と犯罪者の引き渡しや捜査協力の取り決めがある国も明示し、台湾住民の参考としている。

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