軍報が沈黙を破り再び張又俠を批判 中国共産党内で二派の世論戦が激化

2026/02/02 更新: 2026/02/02

中国共産党(中共)中央軍事委員会副主席の張又俠が突然拘束され、中共内部では習近平派と反習近平派が世界規模で世論戦を展開している。中共機関紙の解放軍報は数日間沈黙した後、再び社説を掲載して張又俠を批判し、文章全体には内部闘争の激しい雰囲気が漂っている。

1月31日、解放軍報は「反腐敗必勝、強軍必成の信念と自信を堅持する」と題する評論を掲載し、張又俠および同時に失脚した中央軍事委員会委員の劉振立を再び名指しで批判し、いわゆる「文化大革命的言語」を用いて糾弾した。

文章は一連の「二四四二」スローガンを掲げ、「軍事委員会主席責任制を徹底し、習主席の指揮に断固として従う」と強調し、全軍に対し「習核心と一致を保つ」ことを要求した。同時に、張又俠と劉振立の処分は「反腐敗の重大な勝利」であると宣言し、軍内から張又俠と劉振立の腐敗を一掃する過程では「短期的な困難と痛み」に直面するものの「徹底的に掘り下げ」「悪を根絶し尽くす」ことで軍を「新たに生まれ変わらせる」と述べた。

文章はまた「歴史の恥辱の柱に永遠に釘付けにされる」といった文化大革命期を想起させる表現で張又俠を批判した。

同記事は「習近平支持・張又俠批判」を掲げる一方で、「張又俠の残存影響」を徹底的に粛清するという強いメッセージも示しているとみられる。

さらに、中共内部で張又俠拘束を巡る暗闘が続く中、記事タイトルで「必勝」を強調している点も注目されている。

中国共産党は1月24日に張又俠と劉振立の失脚を発表し、解放軍報は直ちに両名を「軍事委員会主席責任制を重大に踏みにじり破壊した」と位置付け、政治闘争色の濃い論調を示した。その後、解放軍報は沈黙し、張又俠の名を挙げて批判することを控えていた。中共軍および各級党メディアもこの問題に触れなかった。

これについて外部では二つの推測が出ている。一つは当局が民衆に中共の激しい内部闘争を注目させたくないため、意図的に低調にしていたという見方。もう一つは、中共内部の習近平派と反習近平派が激しく駆け引きを続けており、「張又俠粛清」が抵抗に遭っているという見方である。

解放軍報が数日間沈黙した後に再び張又俠を批判したことについて、北京のベテラン記者である高瑜氏はX上で、1月31日の社説は「25日の社説に比べ影響力が大きく低下し、下り坂を続けている」と分析した。

海外の独立系評論家である蔡慎坤氏はXに「解放軍報は海外の自メディアの様々な評論を見て焦り、より激しい文章を次々と出さざるを得なくなり、軍内序列第一位の副主席である張又俠や、張又俠と同様にベトナム戦争に参加した参謀長の劉振立を激しく攻撃することで、海外で広がる疑問の声を押さえ込もうとしている」と投稿した。

張又俠粛清を巡る中共内部の駆け引きの勝敗は現時点では不明である。しかし、張又俠失脚の情報が伝わって以降、国内外の世論は激しく揺れ動き、肯定的・否定的な情報が相次いで流れ、真偽の判別が難しい状況が続いていることは、中共二派の争いが依然として収束していないことを示している可能性がある。

習近平派に有利とされる情報には、ウォール・ストリート・ジャーナルが張又俠について「米国に核機密を漏洩した」「張又俠がクーデターを企てたが未遂に終わった」「張又俠の家族が北京から退去させられた」などと報じたことが含まれる。しかし、複数の中国系評論家は、これらの報道は習近平派の意図による情報提供であり、信頼性に疑問があると指摘している。さらに最近では「張又俠が何衛東を殺害した」との情報も流れているが、真偽は不明である。

反対に習近平派に不利とされる情報には、「張又俠が台湾武力統一に反対した」「軍が混乱に陥っている」「張又俠が反習近平公開書簡を出した」などがある。ソーシャルメディアでは、張又俠がかつて米軍基地を訪問した際の映像や資料が拡散され、張又俠が肯定的な態度を示していたことから、反習近平派を支持しているのではないかとの見方も出ている。

中国本土のソーシャルメディアでは「各地で軍の異動が起きている」ことを示唆する多数の動画が流通している。また、「特務行動」が近く行われることを示唆する不可解な動画も出回っている。しかし、これらの動画は真偽が入り混じっており「意図的に混乱を作り出し、反習近平派を勢いづかせるためのものではないか」との疑いも出ている。

中共内部の駆け引きについて、海外の自メディアの結論も二極化している。一部は現状について、少なくとも表面上は習近平が基本的に局面を安定させたとみている。一方で、中共内部の駆け引きは依然続いており、習近平がさらに権力を失う可能性があるとする見方もある。

また、張又俠を巡る一連の争いは中共に大きな打撃を与え、両派のいずれが勝っても負けても、中国共産党の衰退を加速させるとの評論もある。

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