ハメネイ師の次男 ロンドンの資産発覚 1億ポンド超の不動産所有

2026/02/02 更新: 2026/02/02

イランの最高指導者ハメネイ師の次男が、海外に資産を隠匿している新たな手がかりが明らかになった。その中には、ロンドンの通称「億万長者通り」にある1億ポンド(約190億円)以上の価値を持つ不動産も含まれている。

ブルームバーグの報道によると、調査員らはモジュタバ・ハメネイ氏に関連するとみられる不動産および金融資産のネットワークを特定した。このネットワークは、ペーパーカンパニーや仲介人を通じて運営されており、ロンドン北部ハムステッドにある、超富裕層やセレブリティが集まることで有名な「ビショップス・アベニュー(Bishops Avenue)」に11軒の不動産を保有している。その総資産価値は1億ポンド(約1.37億ドル)を超える。

現在56歳のモジュタバ氏は、父アリ・ハメネイ師の有力な後継者候補と目されている。2019年以降、ハメネイ師の事務所で要職を務めていることや、イラン治安機関との関与が疑われることから、米国による制裁対象となっている。モジュタバ氏の不動産帝国は英国にとどまらず、ドバイの高級住宅地の別荘や、欧州各国に点在する商業不動産、ホテル物件にまで及んでおり、さらに複数の国に銀行口座や金融資産を保有しているという。

これらの資産はいずれもモジュタバ氏本人の名義ではなく、ペーパーカンパニー、信託、あるいは第三者の個人名義で登録されている。こうした手法は、真の受益者の身元を隠し、追跡を困難にするためのものだ。

調査ではさらに、この資産ネットワークが、イラン人銀行家の重要人物アリ・アンサリ(Ali Ansari)氏という仲介者に依存していることが判明した。アンサリ氏はイラン革命防衛隊(IRGC)への資金提供の疑いで、昨年10月に英国から制裁を受けている。調査員によれば、アンサリ氏に関連する企業が、モジュタバ氏の利益に関わる海外資産の取得、管理、保有に利用された疑いがある。関連資金は、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、スイス、およびオフショア金融センターを経由する多層的な取引を通じて送金されたと考えられている。

外部の分析によれば、石油収入を含むイランの国家収益が、これらのネットワークに流出している可能性がある。今回の調査報告は、ハメネイ一族が莫大な富を蓄積していることを示す最新の証拠となった。ハメネイ一族は中東の「四大ファミリー」の一つと見なされ、支配下のビジネス帝国が抱える資産は3千億ドルを超え、イランのほぼすべての産業で権益を有していると伝えられている。

イラン国内で大規模な反政府デモが発生した後、イスラエルメディアは1月14日、ハメネイ師の息子を含む複数のイラン政府高官が、過去2日間で15億ドルをドバイの預託口座に送金したと報じた。

米国のスコット・ベッセント財務長官は1月15日、メディアに対し、米国はイラン当局者が国外へ送金した巨額の資金を追跡すると表明した。長官は「財務省の任務は、銀行システムであれデジタル資産であれ、資金の流出先を追跡することだ。我々はこれらの資産を追い詰め、彼らがそれを持ち続けることを許さない」と強調した。

林清
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