習近平が軍の引退幹部を慰問 緊張漂う会場 警備員が鋭く注視

2026/02/10 更新: 2026/02/10

中央軍事委員会(軍委)のナンバー2である張又侠副主席が突如失脚した後、上層部の政治的緊張が続いている。先日、中国共産党(中共)の党首である習近平が、北京駐屯部隊の引退幹部を慰問する新春文芸公演に出席したが、複数の若い警備要員が引退幹部の中に紛れ込み、会場の動きや習と握手する一人ひとりを鋭く監視していた。

2月6日午後、中共軍委による北京駐屯部隊引退幹部慰問の新春文芸公演が北京で開催され、軍委主席の習近平が鑑賞に訪れた。

中国中央テレビ(CCTV)が報じた現場映像によると、習近平が会場に入場する際、足を引きずる様子が顕著であり、その症状は以前よりも悪化しているように見えた。彼の背後にいたのは軍委副主席の張昇民のみであった。過去2年の同イベントで同行していた張又侠、何衛東、劉振立、苗華ら軍委上層部は、今や全員が失脚している。

会場の映像からは、軍服を着た大柄な男たちが引退幹部の中に混じっているのが確認できる。彼らは老人たちと一緒に拍手こそしているものの、その若さは引退幹部の中で極めて目立っていた。表情は硬く、イヤホンを装着し、視線は絶えず会場全体をスキャンするように動いていた。

特に習近平が引退幹部と握手する際、ある大柄な男は非常に緊張した面持ちで、習と手を合わせる一人ひとりの動きを凝視していた。

あるネットユーザーは、現場にこうした警備員が複数いたと指摘し、「最後尾にいた2人の若い軍人も、一目で警備員だとわかる」と投稿している。

また、公演の客席にも大量の警備員が配置され、それらの若者は中央や両脇の席で引退幹部らと混ざって座っていた。

公演鑑賞時、習近平や張昇民と同じ列には、曹剛川、范長龍(元軍委副主席)、陳炳徳、李継耐、趙克石、呉勝利(元軍委委員)ら6名の軍長老が座っていた。

例年と比較すると、習の鑑賞に同行した現職の軍委メンバーおよび軍長老の数は大幅に減少している。

2025年1月17日の公演では、張又侠、何衛東、劉振立、苗華を含む10名の軍委メンバーや長老が同行していたが、これらの面々は現在、全員が拘束されている。

一方、国防部長の地位にある董軍は、今回の慰問現場では引退幹部の中に立ち、拍手をしながら口を真一文字に結び、習の一挙一動を見守っていた。鑑賞時の席も目立たない後方の3列目であった。

独立系時事評論家の蔡慎坤氏は2025年12月25日、董軍がすでに国防部長を解任され、上級大将(上将)の待遇のみ維持されていると暴露した。今後の調査次第では、最終的に階級も剥奪される可能性があるという。

今年1月24日、軍委副主席の張又侠と軍委委員の劉振立が同時に調査対象となったことが突如発表された。これにより、7名いた中央軍事委員会メンバーのうち、残っているのは習近平と張昇民の2人のみとなった。習は軍人出身ではなく、張昇民は軍紀律検査委員会の摘発によって台頭した人物である。

外部の多くの評論家は、現在の軍事委員会には実戦を指揮できる人間が一人もいないと指摘している。習近平がここ数年展開してきた軍内部の抗争と大粛清は、中国の軍事システム全体を破壊した。

元中共外交部当局者の韓連潮は先日、Xにて、張又侠の失脚は習近平が完全に「孤家寡人(孤独な指導者)」になったことを象徴していると述べた。習は「粛清すればするほど恐怖に陥り、恐怖を感じるほどさらに粛清する」という死のスパイラルに陥っている。こうした内部の離反と恨みの蓄積は、最終的にこの極権体制を押し潰す最後の一押しとなるだろう。

文彬