中国AI「DeepSeek」にカンニング疑惑か 米AI企業が問題提起

2026/02/18 更新: 2026/02/18

中国の人工知能(AI)企業 DeepSeek が開発した対話型AIを巡り、米国側から「他社の技術を不正に利用した可能性がある」との指摘が出ている。対話型AI「ChatGPT」を手がける OpenAI は、米議会に提出した文書で懸念を表明した。

DeepSeekは「高性能なのに開発費が非常に安い」として注目を集めてきたが、その低コストの背景に疑問が投げかけられている。

疑われているのは、他社のAIに大量の質問をして、その回答を集め、自社のAIの学習に使ったのではないかという点である。

AIを一から育てるには、膨大なデータと計算資源が必要で、通常は巨額の費用がかかる。ところが、すでに完成している高性能AIに質問し、その答えを集めて学習させれば、開発コストを大きく下げることができる。

この方法自体は、研究の世界では使われることもある。しかし、競合企業の商用AIを無断で利用することは、利用規約違反や知的財産の侵害にあたる可能性がある。

OpenAIは、DeepSeekがこうした方法を用いた疑いがあると指摘している。一方、DeepSeek側は詳細な説明を行っていない。

米側の関係者によると、もし大量の質問を行っていたとすれば、アクセス元を分かりにくくするための技術的な工夫が使われた可能性もあるという。

たとえば、インターネット上の住所にあたるIPアドレスを頻繁に変える、複数のアカウントを使う、といった方法である。こうした手法が事実であれば、単なる技術競争ではなく、意図的な規則回避と受け止められる恐れがある。

今回の疑惑は、単なる企業同士の争いではない。

第一に、公平な競争の問題がある。米企業が多額の資金を投じて開発した技術を、他社が無断で利用すれば、研究開発の意欲を損なう恐れがある。

第二に、安全性の問題である。主要なAIには、有害情報や違法行為に関する回答を制限する仕組みが組み込まれている。仮にコピーをもとにしたAIに十分な安全対策がなければ、危険な情報が広がる懸念もある。

DeepSeekは独自の工夫によって低コスト化を実現したとみられているが、米側はその過程に疑問を示している。DeepSeek側は不正を否定しているものの、米議会の委員会では調査の結果「黒である可能性が極めて高い」と結論づけられており、今回の問題はAI開発のルールや国際競争のあり方に影響を与える可能性を示している。

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