フィギュア女王アリサ・リュウの衝撃告白 中共スパイ標的の過去

2026/02/19 更新: 2026/02/19

ミラノ五輪で金メダル筆頭候補のアリサ・リュウ選手(20)。史上最年少全米女王が、父の天安門民主運動の過去から中共スパイ標的に。北京五輪でのFBI保護下サバイバルと復帰劇を独占告白。坂本花織ら日本勢との激戦に注目!

ミラノ・コルティナ冬季五輪で、米国フィギュアスケート代表のアリサ・リュウ(Alysa Liu)選手が大きな注目を集めている。その理由は、彼女が米国に金メダルをもたらす最有力候補の一人であるだけでなく、かつて中国共産党によるスパイ工作の標的となっていたからである。

アリサ選手は2022年の北京冬季五輪後、一時競技の第一線を離れたが、今年リンクに復帰し、世界のフィギュア舞台に戻ってきた。彼女はミラノ五輪の団体戦で米国チームを金メダルへと導き、チーム内でも最も人気の高い選手の一人となっている。

しかし、彼女の物語は、華やかなスポーツの栄光だけにとどまらない。彼女は、地政学的な思惑が絡むスパイ活動の脅威にも直面してきたのである。

4年前、アリサ選手が2022年北京冬季五輪に出場する直前、彼女と父親のアーサー・リュウ氏(Arthur Liu、別名アーサー・リュウ氏グオ)は、中国共産党による工作の標的となっていた。

2026年2月17日、米国代表のアリサ・リュウ選手がミラノのアイスアリーナで行われた冬季五輪女子シングル・ショートプログラムに出場した。(撮影:Gabriel BOUYS/AFP)

「映画のよう」アリサ本人の衝撃告白

数十年前、アーサー氏は中国から脱出し、難民として米国に移り住んだ。しかし、その過去は常に彼につきまとってきた。彼は1989年の天安門広場「六四事件」で学生運動に参加した経歴を持ち、この経験が彼と娘を中共の監視対象とする要因となったのである。

2022年の北京冬季五輪期間中、アリサ選手は初めて父の故郷を訪れ、中国のファンやメディアから熱烈な歓迎を受けた。しかし、その裏側では、渡航前から家族が中共工作員による脅迫を受けており、中国滞在中の彼女の行動は終始、米国側による秘密裏の保護下に置かれていた。

アリサ選手は、この経験を「少し奇妙で、でもスリリングだった」と振り返る。

昨年10月、米国オリンピック委員会のメディアサミットで行われた円卓会議で、アリサ選手は米FOXニュース・デジタルの取材に応じ、「わかりますか? 信じられないんです。本当に、クレイジーなんです」と語った。

さらに、「あんなに若い年齢でこんなことを知るなんて、正直とても混乱しました。『これってドッキリ番組なの?』って思っていました」と述べた。

「世界は本当にこんなことが起きる場所なの? まるで映画の登場人物になったような気分でした」と語り、「でも同時に、すべてが筋が通っているようにも感じました。父がかつて人権活動をしていたことと、まるで同じ流れの中にあるように思えたからです」と話した。

2026年2月17日、米国代表のアリサ・リュウ選手がミラノのアイスアリーナで行われた冬季五輪女子シングル・ショートプログラムに出場した。(撮影:Gabriel BOUYS/AFP)

父の天安門事件と中共スパイ工作の標的

2022年3月16日、米司法省は、中国共産党の指示を受け、海外で米国在住者を追跡・嫌がらせ・監視したとして5人を起訴した。このうち、劉藩(Frank)、マシュー・ジブリス(Matthew Ziburis)、王書君の3人が逮捕され、残る2人は逃走中であった。

当時のAP通信によると、ジブリスは2021年11月にアーサー氏に接触し、米国オリンピック委員会の職員を装って父娘のパスポート番号を要求したとされる。さらに、ジブリスはカリフォルニア州湾岸地域にあるリュウ家の自宅周辺を監視し、個人的な情報を聞き出そうとしていたとも報じられている。これらの情報は、中共当局に引き渡す目的があったという。

アーサー氏は当時、AP通信に対し、「彼らは私たちを脅し、沈黙させようとしたのだと思います。要するに、『何も言うな、問題を起こすな、中国の人権問題について発言するな』という圧力をかけてきたのです。私は娘(アリサ・リュウ選手)の安全を非常に心配していましたが、米国政府は彼女の保護に万全を尽くしてくれました」と語っている。

2026年2月17日、ミラノのアイスアリーナで行われた冬季五輪女子シングル・ショートプログラム後、米国代表のアリサ・リュウ選手(中央)がキス・アンド・クライにて。(撮影:WANG Zhao/AFP)

FBIによって得た「安心感」

アリサ選手が、自身と家族の保護を担当するFBI捜査官と初めて言葉を交わしたのは、地元の日本料理店であった。その場で、彼女は長い時間をかけて話を聞いたという。

「彼女とは何度か食事をしました。主に話をしただけですが、私は彼女の仕事にとても興味があって……すごくクールだと思ったんです」とアリサ・リュウ選手は明かす。

「だって、FBIの捜査官に会うなんて、普通の人にはできないことですよね。だから質問がたくさんありました。それに、私はFBIの心理学者にも会いました。自分のためというより、彼女の仕事に興味があったからです」と述べた。

アーサー氏はまた、この一連の出来事を通じて「FBIのおかげで安心することができた」と語っている。

このスパイ事件によって、アリサ選手が北京冬季五輪への出場を取りやめることはなかった。しかし彼女には、米国務省と米国オリンピック委員会による特別な安全対策が講じられ、大会期間中は少なくとも2人の関係者が常に同行していた。

映画のヒーローになりたい

彼女は、自身の人生経験や今回の国際スパイ事件が、将来映画化される可能性についても否定していない。ただし、もし映画になるのであれば、「自分の描かれ方には希望がある」と笑みを浮かべながら語る。

「私を、すごくクールなヒーローみたいなキャラクターにしてもらわなくちゃいけません。単に監視されて何もしない子ども、というのでは困ります」とアリサ選手は冗談めかして話し、「ただ本音を言えば、映画の焦点は父の物語に置いてほしいと思います。彼の人生は本当にすごいんです。すべての出来事は結局、父がしたことから始まっているのですから。だから物語は、そこから語られるべきだと思います」と述べた。

現在、アリサ選手はミラノ・コルティナ冬季五輪での女子シングル個人戦で金メダル獲得を目指し、全力を注いでいる。18日のショートプログラムを終え、すでに優勝候補の一角として名を連ねた。

彼女は女子選手として最高難度とされる3回転+3回転の連続ジャンプを成功させた。しかし、金メダルを手にするためには、日本の中井亜美、坂本花織両選手を上回る必要がある。

アリサ選手は、全米フィギュアスケート選手権で史上最年少の女子チャンピオンとして名を刻んだ。優勝当時、彼女はわずか13歳であり、米国史上2人目となる2年連続優勝者でもある。

父アーサー・リュウ氏は中国四川省の出身で、かつて広州学生自治連の主席を務め、1989年の「六四」学生民主運動の中心人物の一人であった。その後、民主化運動家たちを中国本土から香港経由で海外へ秘密裏に脱出させた救出作戦「黄雀行動」によって救出され米国に渡り、現在は米国で弁護士として活動している。

夏雨
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