米国に逃れた異見者 中共は家族を使って脅迫「極めて愚か」

2026/03/30 更新: 2026/03/30

近年、多くの中国本土の異見者がロサンゼルスへ逃れている。彼らは頻繁に中国共産党(中共)による越境的な脅迫を受けており、当局は国内に残る家族を「弱点」として利用し、圧力をかけようとしている。黄明発氏と呉立新氏はその代表的な例である。

家族への連座で海外の異見者に圧力

黄明発氏は中国でバス運転手として働いていた頃から人権問題に関心を持ち、異なる政治的立場の人々と交流していた。自由を求める彼は、アメリカの『独立宣言』やリンカーンのゲティスバーグ演説を暗記するほどだった。渡米後は中国の自由と民主を支持する活動に積極的に参加し、中共当局を批判していたが、その情報はすぐに湖北の故郷へ伝わった。

「警察は絶えず家族に嫌がらせをし、村の幹部も一緒に圧力をかけてきた」と黄明発氏は語る。2023年末、江陵県の警察3人が両親の家に押しかけ「海外で勝手な発言をするな、政府に反対する活動に参加するな」と伝えるよう要求した。度重なる訪問は高齢の両親に大きな精神的負担を与えた。

さらに「妻への嫌がらせはもっと頻繁だった」という。2024年3月、警察は妻に電話をかけ、彼に海外での政治活動をやめるよう説得するよう要求。翌月には派出所長と国家安全警察が訪問し、彼と中国の歴史学者で六四天安門事件の参加者である呉仁華氏との写真を見せた。

「これは反革命分子だ」と警察は言い、反共人士と関わるなと警告。従わなければ「妻子と二度と会えなくなる」と脅した。

長期にわたる嫌がらせと脅迫により、妻は精神的に追い詰められ、日本へ気分転換に行こうとしたが出国制限(いわゆる「辺控」)により阻止された。さらに雲南へ行こうとした際も湖北警察によって強制的に連れ戻された。

黄明発氏によれば、今年2月にも警察が再び訪れ、「海外では大人しくしていろ」と伝えるよう要求した。

呉立新氏のケース

呉立新氏は元空軍将校で、家庭教会活動を組織・参加したことを理由に、5年以上にわたり警察の監視と嫌がらせを受け、携帯電話も24時間監視されていた。2019年以降、ほぼ毎月警察に呼び出され、2021年には暴行や虐待も受けた。

渡米後、彼はロサンゼルスの民主活動プラットフォームに参加し、市民抵抗団体の代表として国内の迫害を受ける信仰者や異見者を支援している。

彼の場合も同様に、中国の国家安全警察は深圳に残る妻を不定期に呼び出し、「中国政府に不利な発言をさせるな」と要求している。しかし彼は活動をやめていない。

昨年、「オスカー中国自由人権賞」の授賞式で友人の代理として受賞した際、彼は「恐れるな。民主と自由は我々の目標であり、必ず中国の変化を目撃する」と語った。

越境弾圧は「極めて愚か」

呉立新氏は中共による越境弾圧を「極めて邪悪であり、その手はすでに世界に伸びている」と批判。「それは通常の国家ではなく『台頭』の仮面をかぶった全体主義的装置だ」と述べた。

アメリカに来て彼は信仰の自由を実感し、過去の経験や海外での異見者・宗教団体への暴力的脅威を振り返り、中共の行為を「極めて愚か」だと感じている。

「追査国際」の報告によれば、過去1か月だけでも、ニューヨークやロンドンで法輪功学習者への暴力事件が3件発生している。

信仰弾圧の逆効果

呉立新氏は「信仰は人間の基本的な精神的ニーズであり、抑圧すれば地下化し、より強固な抵抗ネットワークを生む」と指摘。ローマ帝国によるキリスト教迫害が最終的に失敗した歴史を例に挙げ、中共の洗脳や拷問、連座制は逆効果だと述べた。

さらに、信仰弾圧は社会の道徳基盤を破壊すると指摘する。

「信仰の自由がなければ、人間関係は恐怖と利益に依存し、腐敗や信頼崩壊が広がる」と語り、中国社会の問題の根源は中共自身にあると批判した。

また、精神世界が国家イデオロギーに支配されることで文化的創造力が損なわれ、社会は「原子化した個人と監視装置」に分解されるとも述べた。

黄明発の見解

黄明発は、家族を巻き込む弾圧について、「アメリカでは政党批判は普通だが、中共は批判に耐えられない。これは通常の政党ではない証拠だ」と語る。

コロナ禍では隔離施設へ住民を送る運転業務を担当し、拘束された人々の苦しみを目の当たりにしたという。渡米後、彼は中共の関連組織(少年先鋒隊)からの脱退を表明した。

「中共は邪悪な組織であり、人類文明の敵だ。その罪は筆舌に尽くしがたい」と彼は述べた。

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