中国共産党 昨年に前例のない汚職規模 総額1兆元超と情報筋

2026/03/31 更新: 2026/03/31

中国共産党(中共)の内部事情に詳しい関係者が大紀元に明らかにしたところによると、党内の権力闘争と粛清は2025年に前例のない水準に達した。昨年、摘発された党内の汚職件数が過去最高を更新。確認済みの横領や収賄、官職売買などによる不正取得額は8千億元に上り、さらに3千億元超の資金が追徴中で、総額は1兆元の大台を突破した。日本円で約20兆円に相当する。

中共の内部事情に詳しい李宇氏(仮名)は本紙の取材に対し、中共が昨年から退職幹部に対する「二次離職審査」と呼ばれる集中的な調査を開始したと証言した。いわゆる「大物幹部」を対象としたこの調査では、過去の不正行為が再び掘り起こされるとともに、未公開の不動産や海外の地下資産など、退職幹部の巨額の隠し資産が次々と露見している状況だという。

さらに李氏は、調査過程で連鎖的な摘発が進んでいる実態も明らかにした。「現職幹部の汚職を調べる中で、取り逃がしていた関係者が次々と浮上し、その数は直接摘発した幹部の数を6割以上も上回った。多くの不動産を親族や知人名義で保有しており、香港やイギリス、オーストラリアの銀行に多額の秘密資金を預けている」と述べた。

こうした汚職の構造について、内部資料と公式データを基に分析したところ、昨年の腐敗は明確な階層性を示している。情報筋によれば、庁局級以上の幹部は約4500人で、不正資金は約2250億元に達し、1件当たりの平均額は5千万元と高額化し、上層部への集中が顕著だ。一方、処級以下の幹部は約2万人で総額約1千億元を占め、件数の大半を構成し、1人当たり約500万元の汚職を確認している。

これら在職幹部による汚職総額は約3250億元で、昨年「確認・没収済み」の資金の中核を成す。ただし、これは氷山の一角に過ぎない。退職幹部から追徴中の3千億元超の海外資産や、金融・軍需産業の国有企業で調査が続く未処理資金を含めると、総額は情報筋が示した1兆元規模に迫るという。

情報筋によると、これは単なる汚職ではなく、制度化された利益分配の構造で、権力を資金化する仕組みが常態化しており、不正資金は体制維持の「地下燃料」となっているという。旧来の汚職ネットワークを解体しなければ、新たな権力層が利益分配に加われない。

専門家「汚職は権力構造に深く根付いている」

中国政治を長年研究する韓青氏も、「権力と資金の対応関係の精密さから見て、腐敗はすでに権力運用と不可分に結びついている」と分析。「権力を独占し、資源配分は不透明で、監督が内部依存に偏る体制では、汚職は制度的に大量生産しているようなものだ。いわゆる反腐敗運動も、実態は権力交代期における勢力再編に過ぎない」と指摘した。

個別事例でもこうした構造が浮き彫りになっている。3月25日には大連市中級人民法院が、中国航空工業集団の元董事長・譚瑞松被告に対し、収賄6億1300万元、横領約9千万元などの罪で一審判決を言い渡した。事件ではインサイダー取引や情報漏洩も認定している。

軍事分野の専門家は「軍需企業は大型プロジェクトと資金、承認権限が高度に集中しており、外部監督が欠ければ権力は長期的かつ隠密な利益獲得手段に転化しやすい」と指摘。「この事例は、腐敗が一時的な逸脱ではなく、制度の中で蓄積する現象であることを示している」と述べた。

さらに同氏は、権力と資源が閉鎖的に循環する構造の下では、腐敗は発見が遅れるだけでなく、異なる職位間で連鎖的に引き継がれ、「自己増殖する腐敗」という性質を帯びていくと警鐘を鳴らした。

岳莉
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