「中国で拘束されないために」 米FBIが中国渡航者に啓発動画 

2026/04/29 更新: 2026/04/29

米FBIはこのほど、「知っておくべきこと:中国で働く」と題するスパイに関する動画を公開し、米国人に対し中国渡航時の安全上の注意を呼びかけた。専門家は、中国当局の警戒が強まる中、外国人がより厳しい監視下に置かれ、「人質」となる危険性があると指摘している。

3月27日、FBIはスパイに関する第一弾の対談動画を公開。FBI対スパイ部門の対外連絡担当上級担当官オブストフェルド氏、中国問題担当の国家情報当局者パトリック氏、上級情報アナリストのメアリー氏が出演した。

パトリック氏は、「米中の制度には大きな違いがある。米国では企業は独立した主体として自由に研究や事業を行えるが、中国の状況は全く異なる」と指摘した。続けて「中国共産党はほぼすべての社会活動に関与し、一定の監視を行っている。中国の治安機関はあなたの一挙一動を注視し、中共に報告する」と語った。

元北京の弁護士・頼建平氏:
「中国当局は容易にスパイ容疑などを名目に拘束に踏み切る可能性があり、リスクは非常に高い。米国人が中国へ行く場合は、必ず慎重に行動し、事前に計画と準備を整える必要がある。これは非常にタイムリーな警告だ」

頼氏はさらに「中共の全体主義的統治の下では、法の支配や基本的人権の保障は存在せず、極めて危険な環境だ」と述べ、「西側諸国の人々、特に米国市民が中国に行けば、何をするにしても大きな安全リスクが伴う」と語った。

また頼氏は、近年の中国経済の減速や社会不安の高まりに加え、ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束やイランのハメネイ師の暗殺などの対外情勢の影響により、当局の警戒が一層強まっているとし、「その結果、内部で粛清が進行し、外国人に対してもより厳密な監視が行われている」と述べた。

頼建平氏:「外国人が中国に入れば、極端な環境に置かれることになる。腕章をつけた朝陽群衆(市民監視員)、さらには公安警察、国家保衛省、国家安全部門などが、彼らを警戒し、疑いの目で見る」

パトリック氏とメアリー氏は、2012年に習近平政権が発足して以降、中共政権が経済成長や外国投資を犠牲にしてでも、体制維持および安定維持に投資してきたと語った。その結果、米企業や米国人がより頻繁に当局の審査対象となっているという。

パトリック氏は、「米国人は中国へ行く前に自己評価を行うべきだ。携行する情報が機密性を持つかどうか、電子機器が侵入される可能性があるかどうかを確認する必要がある」と述べた。

台湾国防部系シンクタンク「国防安全研究院」 沈明室研究員:「米国人や米国市民に対し、中国本土は非常に高リスクの場所であることを警告するものだ。根拠なく告発されたり、だまされて情報収集に協力させられたり、末端工作員にさせられる可能性もある」

沈氏はさらに、外国人が「人質」となる危険にも言及し、「中共が豪州やカナダとの関係が悪化した際には、その国の市民を拘束して交渉材料とした。いわゆる『人質外交』だ」と指摘した。

沈明室氏:「実際に拘束しているのは意図的なものであり、自らの交渉カードを増やすためだ。もし両国間、すなわち中共と関係を持つ国との間に潜在的な対立やリスクが存在する場合、中共はさまざまな理由をつけてその国の国民を拘束し、そのうえで交渉を迫ったり、自らの条件を受け入れさせたりするのである」

FBIの当局者は、米国人の中国渡航や交流そのものを禁止するものではないとしつつ、「リスクを十分理解し、防護措置を講じた上で判断すべきだ」としている。

沈明室氏:「やむを得ない場合を除き、多くの人が商用渡航や学術交流を控えるようになっている。リスクはますます高まっている」

オブストフェルド氏は動画の中で「中国は専制国家であり、個人の自由は米国のようには保護されていない」と明言した。

FBIはまた、中国でトラブルや干渉に遭った場合、「速やかに在中国の米国大使館または領事館に連絡し、支援を求めるべきだ」と呼びかけている。

新唐人
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