人類は再び月への道を歩み始めた。
NASAのリード・ワイズマン(船長)、ビクター・グローバー(パイロット)、クリスティーナ・コック(ミッション・スペシャリスト)、そしてカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセン(ミッション・スペシャリスト)の4名の宇宙飛行士を乗せたアルテミスIIは、4月1日午後6時35分頃、フロリダ州のケネディ宇宙センターから無事打ち上げられた。月を周回して帰還する10日間の任務が始まった。
今回の打ち上げは、NASAが誇る巨大月ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」と、宇宙船「オリオン」の両方にとって初の有人飛行となった。また、欧州宇宙機関(ESA)が提供し、電力、環境制御、推進力を担うオリオンのサービスモジュールの、有人での初試験飛行でもある。
カウントダウンが終了すると、ロケットの4基のコアステージ・エンジンと2基の固体ロケットブースターに点火された。かつてのサターンVを100万ポンド上回る880万ポンドの推力で、4人の宇宙飛行士を地球の外へと押し上げた。
制御された爆発が機体をフロリダの空へと押し上げるにつれ、巨大な轟音が響き渡った。
打ち上げから60秒足らずで宇宙船は音速を超え、わずか8分後には、白い固体ロケットブースターとオレンジ色のコアステージが全燃料を燃やし尽くし、地球へと落下していった。
その後は、より小型で単一エンジンのロケット上段(アッパーステージ)が役割を引き継ぎ、オリオンを独特の細長い楕円形の高地球軌道へと投入する。この上段エンジンの任務は、打ち上げから2時間を少し過ぎたあたりで完了する予定だ。
その直後、乗組員は宇宙船を手動で操縦し、完全な操縦性を確保できるかを確認するとともに、シミュレーターとの操作感の違いを地上チームに報告することになっている。また、将来のミッションで月着陸船とドッキングする際に必要となる近接操作のデモンストレーションとして、切り離したロケット上段を標的として使用する。
軌道上にある間、アルテミスIIは最高高度4万3千マイル(約7万キロメートル)以上に達し、オリオンのサービスモジュールのエンジンを点火して月へ向かう時が来るまで、この軌道構成を維持する。
管制センターからゴーサインが出れば、24時間以内にアルテミスIIの乗組員は、1972年12月のアポロ17号以来、地球を離れて月を周回する最初の4人となる。
NASAの指導部は、4月1日午後9時からケネディ宇宙センターにて打ち上げ後の記者会見を行う予定である。
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