アルテミス2号 サンディエゴ沖への着水でミッション終了

2026/04/11 更新: 2026/04/11

【米国ヒューストン】―― 人類にとって50年ぶりとなる月への冒険が、今、ついに完結した。

10日間の月周回を終えた宇宙船オリオンは、東部標準時4月10日午後8時過ぎ、サンディエゴ沖の太平洋へ穏やかに着水した。これにより、NASAの試験飛行「アルテミス2号」は完了した。

「インテグリティ(Integrity)」と名付けられたその宇宙船の中には、NASAのリード・ワイズマン、ビクター・グローバー、クリスティーナ・コック、そしてカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセンが搭乗していた。13分間の降下の最中、彼らはアポロ17号の飛行士ジーン・サーナンがかつて表現したように、「彗星になるとはどういうことか」を身をもって体験した。

穏やかな海に浮かぶ彼らは、地表からどの宇宙飛行士よりも遠く離れ、人類がこれまで見たことのない光景を目にした後、再び地球の重力に抱かれた。

彼らが持ち帰ったのは、膨大な科学情報である。さらなる月の写真から、深宇宙が人体に与える影響を理解するための生物学的実験、そして宇宙船オリオン自体のデータや機体状況に至るまで多岐にわたる。NASAの当局者やミッションリーダーたちは、これらの情報のすべてが、アルテミス3号、4号、そして将来のすべてのミッションを成功させるために極めて重要であると繰り返し強調してきた。

午後7時53分ごろ、目標着陸地点から1700マイル以上手前、高度40万フィート(約12万メートル)で大気圏に突入を開始したとき、インテグリティ号はまさに「彗星」の姿を呈し始めた。

その20分前、歴史的な旅の間に推進力、電力、生命維持を供給してきた欧州製のサービスモジュールが切り離された。その後、機体は最終噴射を行って姿勢を反転させ、進路を確実なものとした。

「2番窓から素晴らしい月の景色が見える。昨日よりも少し小さく見えるよ」と、再突入の数分前にワイズマンは語った。

機内の飛行士たちは、打ち上げ時に着用していたオレンジ色の加圧服をすでに身につけ、座席に固定されていた。ヒートシールド(耐熱シールド)を前方に向け、窓から水平線が見えるよう、背中から逆さまの状態で落下していった。

惑星のガス層との摩擦が高まるにつれ、インテグリティ号は火の玉とプラズマに包まれた。最高速度は時速2万4千661マイルに達すると予想されていた。これは1969年にアポロ10号が記録した最高速度に、あと約130マイル及ばない数字である。

しかし、NASAの発表によると、インテグリティ号は音速の35倍にあたる時速2万6千854マイルで大気圏に突入した。

ヒートシールドの温度は華氏5千度(約2760度)に達した。今回の突入経路は、ヒートシールドが最高温度にさらされる時間を可能な限り短縮するため、アルテミス1号の時よりも大幅に短くなるよう設計されていた。

再突入開始から30秒も経たないうちに、プラズマの発生による干渉でカプセルは通信途絶(ブラックアウト)状態に陥った。この信号断絶は6分間続いた。

乗組員は手動制御の訓練を受けていたが、インテグリティ号のコンピューターは、大気圏への精密な角度での突入や、減速のための複雑な回転動作といった一連の操縦を完遂した。

飛行士たちは、加圧服の中の快適な温度に守られながら「人工の彗星」に乗り、3.9G重力加速度に耐えた。これは、地表で通常感じる重力の3.9倍の負荷である。

インテグリティ号が管制センターとの通信を再開したとき、高度はすでに15万フィート(約4万5千メートル)まで下がり、減速していた。その3分後、速度は音速を下回った。

減速用パラシュート、続いてパイロットパラシュート、そして3つの巨大なメインパラシュートが展開し、インテグリティ号を優雅に海面へと降ろすと、大きな拍手が沸き起こった。一時は時速2万5千マイルで突き進んでいた月探査船は、わずか時速20マイルで着水した。

回収艦「ジョン・P・マーサ」はすでに待機しており、即座に高速艇を出して漂流するカプセルへと向かった。

安定化のためのエアバッグが作動し、午後8時30分にインテグリティ号の電源が落とされた。ミッションの指揮権はヒューストンの管制センターから現地の回収チームへと移った。

乗組員4名全員の健康状態は極めて良好と報告されている。午後8時55分、打ち上げ前以来となるサイドハッチが開放された。4人の回収要員が機内に入り、それぞれが担当の飛行士の診断にあたった。

フロリダ州担当記者。米国の宇宙産業、テーマパーク産業、家族関連の問題も取り扱う。
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