【ワシントン】トランプ米大統領は4月1日、プライムタイムの演説を行い、1カ月余りの戦闘を経て、軍事作戦はほぼ完了したと述べた。
「戦史において、敵がわずか数週間のうちにこれほど明確かつ壊滅的な大規模損失を被ったことは一度もない」と、トランプ氏はホワイトハウスでの演説で語った。
大統領の発言の数時間前、米軍は2月28日に「オペレーション・エピック・フューリー(壮絶な怒り作戦)」として知られる軍事作戦を開始して以来、1万2300以上のイランの標的を攻撃したと発表した。イスラエル軍もこの1カ月間、イランに対して数千回の攻撃を行っている。
一方で、イラン軍はイスラエルや、米軍を駐留させている地域内の他国に対し、ミサイルやドローンによる攻撃を続けている。
紛争の現状について、トランプ氏が述べた内容は以下の通りである。
主要な戦略目標は「完了間近」
「オペレーション・エピック・フューリー」の開始以来、トランプ政権はその目標を、イラン海軍の撃破、ミサイル生産能力の終結、地域代理勢力への支援の解体、そして核兵器保有の阻止と定義してきた。
「これらの主要な戦略目標が完了に近づいていることを、喜んで報告する」とトランプ氏は1日水曜日の夜に述べた。
米軍の報告によれば、攻撃対象には155隻以上のイラン艦船が含まれており、その中には正規の軍艦だけでなく、機雷を設置する敷設艦も含まれている。
米軍とイスラエル軍は、イランの提携組織や代理勢力のネットワークとの戦いも続けている。
イランの同盟組織でありテロリスト集団に指定されているヒズボラは、レバノン国境付近でイスラエル軍との交戦を繰り返している。
同じくイラン系のテロ組織に指定されているイエメンのフーシ派も、ここ数日でイスラエルに向けてミサイルを発射し始めた。
これとは別に、米軍はイラク国内のイラン系民兵組織に対しても攻撃を行っている。
トランプ氏は、すべての目標が達成されるまで「オペレーション・エピック・フューリー」を継続すると述べた。
「今後2、3週間のうちに、彼らを極めて激しく叩くつもりだ」と彼は語った。「彼らを石器時代に戻してやる。それが彼らにお似合いの場所だ」
米国によるイラン核施設の監視
イランに核を持たせないという目標は、出口の見えない、終わりのない任務となる可能性がある。
米軍は2025年6月にイランの3つの核施設を攻撃した。
それらの攻撃が行われる前、イランは純度60%まで濃縮されたウランの備蓄を積み上げていた。この純度は原子力発電や医学研究に必要な水準を超えているが、兵器級の材料には達していない。
トランプ政権は、テロ支援国家であるイラン体制に核兵器を保有させることは決してないと断言してきた。米・イランの交渉担当者はイランの高濃縮ウラン備蓄について協議を続けていたが、ジュネーブでの第3回交渉は「オペレーション・エピック・フューリー」開始の2日前に決裂した。米国が2月28日にイランを攻撃する数時間前、仲介者であるオマーンのバドル・アル・ブサイディ外相は、テヘラン(イラン当局)はウランを放棄し、査察プログラムを受け入れる意向があると述べていた。
水曜夜の演説でトランプ氏は、昨年米軍が攻撃した核施設について、「施設の跡に残っている『核の塵』に近づくことさえ、数カ月はかかるほど激しく叩いた」と述べた。
核物質を確保するために米軍を派遣してリスクにさらすのではなく、トランプ氏は遠隔で施設を監視し、核物質へのアクセスを確実に遮断するために追加の長距離攻撃を行う用意があることを示した。
「我々は強力な衛星監視と制御下に置いている」と彼は述べた。「もし彼らが動こうとすれば、たとえ一歩でも、再びミサイルで非常に激しく叩く」
合意なき場合は発電所を攻撃すると警告
大統領は、イラン体制が自身の提示する条件に同意しない場合、攻撃を拡大し、イラン国内の電力およびエネルギー・インフラを標的にするという脅しを繰り返した。
「我々は重要な標的を見定めている」とトランプ氏は述べた。「合意に達しなければ、すべての発電所を、非常に激しく、おそらく同時に叩くことになるだろう」
作戦において、同国の石油施設の破壊は控えているとした上で、「石油は最も簡単な標的だ。それを壊せば、彼らには生き残るチャンスも再建のチャンスも微塵もなくなるからだ」と付け加えた。
イランのマソード・ペゼシュキアン大統領は4月1日、Xへの投稿で米国民に宛てた書簡を公開し、米国の発電所破壊の脅迫を非難した。
「エネルギーや産業施設を含むイランの重要インフラへの攻撃は、イラン国民を直接標的にするものだ」と彼は記し、甚大な人的・経済的被害が生じる可能性に言及した。「そのような行為は戦争犯罪を構成するだけでなく、イランの国境を遥かに超える影響を及ぼすことになる」
トランプ氏は、米国が決定的な勝利を収めつつあるとして、イラン当局に対し誠実に交渉に臨むよう促した。
「我々がすべてのカードを握っている」と大統領は述べた。「彼らには一枚もない」
ホルムズ海峡は紛争終結後に「自然に開放される」
トランプ氏は、紛争中に石油やガスの供給のボトルネックとなっているホルムズ海峡について、戦争が沈静化すれば「自然に開放される」と予測した。
「彼らは石油を売りたがるだろう。再建のために持っているものはそれだけなのだから」とトランプ氏は述べた。「供給は再開され、ガソリン価格は急速に下がるだろう」
彼は燃料価格の高騰をイランの責任とし、価格は間もなく下がると述べた。
「この短期的な価格上昇は、ひとえにイラン体制が、紛争とは無関係な近隣諸国の民間タンカーに対して狂気じみたテロ攻撃を仕掛けた結果だ。これは、イランに核兵器を絶対に任せてはならないというさらなる証拠である」。
大統領によれば、米国はエネルギー自給を維持しており、今後もその状態が続くため、石油に依存する欧州の同盟国などが海峡の安全を維持する必要があるという。
「彼らは自らその役割を掴み取り、大切にしなければならない。彼らにとってそれは容易なことだ」とトランプ氏は語った。「我々は手助けをするが、彼らが切実に依存している石油を守るために、彼ら自身が主導権を握るべきである」。
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