中国 客はいるのに儲からない

中国の空港がガラガラ?  飛ぶほど赤字の航空業

2026/04/30 更新: 2026/04/30

かつて人であふれていた中国の空港が、いまは静まり返っている。北京や上海の国際線エリアでは、人が少なく、免税店も閉まったままの状態が目立つ。

とくに 上海浦東国際空港 では、夜でもほとんど並ばずに出国できるという。以前の混雑を知る人からは「別の場所のようだ」との声も、本紙に寄せられている。

この変化は株価にも表れている。
上海の主要空港を運営する 上海機場股份有限公司 の株価は大きく下落している。また、北京の玄関口である 北京首都国際空港 を運営する側も、長い赤字に苦しんでいる。

台湾の財信メディア会長、謝金河氏は4月22日、SNSで中国の空港株の下落について「目を疑うほどだ」と指摘した。

空港が冷え込む理由の一つは、外国人旅行者が戻っていないことだ。証券分析ブロガーのKen Cao氏は、ビザ手続きの煩雑さやスマホ決済中心の不便さ、コロナ禍での政策混乱によるイメージ低下を挙げている。

それに加えて、近年は言論や行動への規制が厳しくなっているとの見方もある。SNSでの発言や現地での行動が問題視され、トラブルに発展するのではないかという不安が広がっている。場合によっては出国に影響が出るのではないかと懸念する声もあり、こうした不透明さが敬遠される要因とみられる。

その結果、旅行先を日本やタイに変える動きが出ている。本来、国際線に投入されるはずだった大型機は国内線へと回され、競争は一段と激しくなった。

航空会社は客を確保するため値下げを続け、座席は埋まっても利益の出ない状態が続いている。こうした状況について、中国メディア『財経』も「客はいるのに運賃が下がりすぎて儲からない」という構造的な行き詰まりに陥っていると指摘している。

背景には消費の弱さもある。海外旅行に出る余裕がなくなり、国内の安い旅行に人が流れている。Ken Cao氏は、いまの状況を「外国人は来ない、中国人も外に出にくい」と表現している。

さらに、地政学的な緊張も重くのしかかる。中東情勢の影響で燃料価格が上昇し、中国の航空会社の負担が増していると指摘されている。

加えて、大手航空会社は巨額の負債を抱えている。政府の補助で支えられてきた一方、過剰な拡大が進み、運航能力が余り気味になっている。

その結果、運賃の引き下げ競争が続き、「飛べば飛ぶほど赤字」という状態に陥っている。

消費低迷、過剰な競争、燃料高、重い負債、そして国際環境の変化。複数の要因が重なり、中国の航空業界は厳しい局面に立たされている。

かつて成長の象徴だった空港と航空会社は、いま大きな転換点にある。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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