「来世はもう来ない(下辈子不来了)」
その一言が、中国国内と海外の中国語圏のネット上で急速に広がっている。きっかけは、上海のブロガーが建設現場で働く出稼ぎ労働者を取材した動画だった。
映像には、複数の労働者が「きつすぎる」「本当に疲れた」と語りながら、感情を抑えきれず涙を流す様子が映っている。そして、口をそろえるように出たのが、「下辈子不来了」という言葉だった。
この言葉は直訳すると「来世にはもう来ない」という意味だが、実際には「もうこの国には生まれたくない」「もう人間として生まれ変わりたくない」といった強い絶望を込めた表現である。
この強烈な訴えは瞬く間に拡散され、多くの共感を呼び、中国人の本音を代弁していると受け止められている。
動画に出てきた男性たちはいわゆる出稼ぎ労働者で、農村から都市へ働きに出ている人たちだ。中国では数億人規模にのぼり、建設現場などで都市の発展を支えてきた存在である。
しかし、その働きに見合う待遇とは言い難い。長時間労働が続き、収入は安定せず、医療や年金などの社会保障も都市住民と比べて十分とは言えない状況がある。
さらに、近年は景気の減速の影響も重なり、仕事は急減し、給料をもらえないことも珍しくなくなった。それでも生活のために働き続けるしかなく、疲労と不安が積み重なっていく。
今回の動画は、そうした現場の苦しさをそのまま映し出したものだった。そして「来世はもう来ない」と言わざるを得ない現実が、多くの人の胸に重くのしかかっている。
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