第7回日・EUハイレベル経済対話がブリュッセルで開催 経済安保と産業競争力で連携強化

2026/05/08 更新: 2026/05/08

ベルギー・ブリュッセルで7日「第7回日・EUハイレベル経済対話」が開かれた。今回の対話は初めて強化された形式で実施され、従来の枠組みを越え、貿易・産業政策や経済安全保障に関する協力に焦点を広げている。

日本側からは赤沢亮正経済産業相と堀井巌外務副大臣、EU側からはステファン・セジュルネ欧州委員会上級副委員長とマレシュ・シェフチョビチ欧州委員が参加した。双方は、長年にわたる戦略的関係を評価し、ルールに基づく国際秩序への関与を改めて確認した。

対話では、日本とEUが共通して直面する課題として、第三国による経済的威圧や、不当な輸出規制の拡大が取り上げられた。双方は、これらに深刻な懸念を表明し、特に重要鉱物などの戦略的サプライチェーンを混乱させないよう、輸出管理措置は国際法に従い、厳密かつ非差別的に行われるべきだとの認識を示した。

また、有害な過剰生産や市場歪曲をもたらす非市場的な政策・慣行についても、強い危機感を共有した。

中国共産党(中共)政府は2023年以降、次世代半導体の材料となるガリウムやゲルマニウム、蓄電池に不可欠な黒鉛(グラファイト)、さらに一部の高機能な磁石技術などの輸出許可制を導入。また中共政府が自国企業に巨額の補助金を投入し、国内需要を大幅に超える規模で生産を行うことで、安価な製品が世界市場に流入しており、日本及びEU諸国に多大な混乱を招いていた。

こうした情勢を踏まえ、日本とEUはサプライチェーンの強靱化に共同で取り組む方針を確認。2025年7月の日EU首脳協議で立ち上げられた「日EU競争力アライアンス」を具体化するため、重要鉱物、バッテリー、クリーン技術、ロボティクス、防衛・宇宙産業などの戦略的分野で補完関係を強化する。

具体的な取り組みとして、国際協力銀行(JBIC)と欧州投資銀行(EIB)の間で協力に向けた議論が進められ、さらに、EU重要原材料法(CRMA)を活用したマッチングを通じ、日欧間の重要鉱物共同プロジェクトの実現を支援していく意向も示された。

バッテリー分野では、電池サプライチェーン協議会や欧州バッテリーアライアンスなど、日欧の業界団体間の覚書が進展していることを評価した。双方は、産業界がビジネス機会を探れるよう、サプライチェーンの強靱性を高める政策を実施する。

またスタートアップ支援でも連携を進める。昨年、日本のGX推進機構や日本貿易振興機構(ジェトロ)と欧州InnoEnergyとの間で結ばれた覚書に基づき、イノベーションを牽引するスタートアップ企業への支援を推進する。

経済安全保障をめぐっては、2025年の日EU定期首脳協議での合意を基盤に、新たに格上げされた「経済安全保障及び関連する新たな貿易・経済問題に関する作業部会」の下で協力を深めることでも一致した。同作業部会では、重要・新興技術の保護や技術移転のリスク評価などを共同で進め、G7などの同志国にも連携を広げていく。

貿易分野では、グローバルな鉄鋼の過剰生産に対処する必要性を確認した。一方、EUの鉄鋼関連措置については、日本側の懸念を踏まえ、日・EU経済連携協定及び世界貿易機関(WTO)協定を考慮し、協議を継続する。

自動車や電池分野についても、国際ルールに則った自由で透明性の高い貿易を維持するため、議論を続ける方針だ。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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