米イラン交渉に前向きな兆し ルビオ長官「過度な楽観は禁物」

2026/05/22 更新: 2026/05/22

イランとの和平交渉についてルビオ国務長官は21日、戦争終結に向けた交渉で一定の進展があったことを明らかにした。パキスタン代表団がテヘランに向けて出発し、協議を前進させる見通しだという。

一方、イランが海峡通航料の徴収にこだわる限り停戦合意には至らないとの立場も示した。また、イスラム革命防衛隊(IRGC)の指導部がイランを掌握し、交渉政策を強引に主導しているとの報道も浮上している。

ルビオ長官は「大統領が常に最優先とするのは合意の達成であり、外交による解決だ」と述べたうえで、「現時点でいくつかの前向きな兆しが見られるが、過度に楽観的にはなりたくない。今後数日間の動向を注視したい」と語った。

ルビオ長官とトランプ大統領はそれぞれ、ホルムズ海峡は無償通航が維持されなければならないとの立場を表明し、イランが通航料制度を堅持するなら和平合意は実現しないと明言した。

トランプ大統領は同日、イランが備蓄する高濃縮ウランを必ず回収し、核物質を廃棄すると改めて強調した。大統領は「イランに核兵器を持たせないこと、これより重要なことは何もない。そして絶対にそうはさせない」と述べた。

イラン側は核物質の引き渡しに応じないと主張しているが、トランプ大統領は高濃縮ウランを最終的には必ず回収すると強調した。大統領はまた、イランが核武装した場合、中東で核戦争が勃発し、欧州、さらは米国にも波及するとの見方を示した。

記者から「イランは濃縮ウランを保持できるか」と問われたトランプ大統領は「我々が取り上げる。必要でもないし、欲しくもない。回収後は廃棄する可能性があるが、いずれにせよ彼らには持たせない。わかるか」と答えた。

米国家安全保障会議(NSC)元高官のリチャード・ゴールドバーグ氏は、ニューヨーク・ポスト紙への寄稿で、テヘランの指導部はAI生成の宣伝動画や投稿「雲隠れした最高指導者」への書面上の声明で世界を欺くことができても、米軍の封鎖がもたらす経済崩壊からは逃れられないと指摘した。

また、トランプ大統領は現在優位な立場にあるとして、今後三つの戦線で攻勢をかけるべきだと主張した。具体的には、封鎖を継続しつつ経済戦を組み合わせて政権を揺さぶること、世界のエネルギー構造を再編して米国の主導権を確立し価格を安定させながら中共の野心を抑止すること、そして「エピック・パッセージ作戦(Epic Passage Operation)」または「封鎖プラス(Blockade Plus)」として米軍が海峡に航路を切り開き、航行の自由を回復させること、の三点を挙げた。

ゴールドバーグ氏は、米側の重層的な圧力に直面したテヘランは核問題で譲歩するか、さもなければ政権崩壊が加速するかの選択を迫られると結論づけた。

交渉が膠着状態に陥るなか、専門家によると、イスラム革命防衛隊司令官のアフマド・ワヒディ氏が対米交渉における強硬姿勢の形成で中心的役割を担っているという。同氏は最高指導者候補のモジュタバ師に直接接触できる核心グループの一員とみられている。

「戦争研究所(Institute for the Study of War)」は「ワヒディとその核心グループは、紛争における軍事対応の主導権を固めただけでなく、イランの交渉政策をも掌握している可能性が高い」と分析した。

別の分析では、ワヒディのような人物は「単に戦争を管理しているだけでなく、権力継承を積極的に作り替えており、弱体化した最高指導者の周囲に権威を集中させ、危機対応を通じてイランを実質的に『乗っ取っている』」と指摘している。

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