ホルムズ海峡の船舶航行回復を受け米国が封鎖解除に着手=米副大統領

2026/06/19 更新: 2026/06/19

バンス副大統領は戦争終結に向けた覚書に基づき船舶の動きが加速する中、10隻以上の船舶がイランの港に到着したと述べた。

J・Dバンス副大統領は6月18日、米軍がイランに対する海上封鎖の解除に着手し、米政府とイラン政府の間で署名された戦争終結合意の一環として、10隻以上の船舶がイランの港に到着できるようになったと述べた。

ホワイトハウスでの記者会見でバンス氏は、米中央軍が「12隻以上の船舶」の通過を許可し、一晩でホルムズ海峡を1250万バレル以上の石油が通過したと説明。これらの動きは双方が合意を履行していることを示す初期の証拠だと述べた。

バンス氏は「つまり、我々は軍事面における合意の初期段階において、我々の義務も果たしているということだ」と語った。

海上追跡データは、バンス氏の見解を裏付けるものとなった。トランプ大統領とイランのマスード・ペゼシュキアン大統領が紛争終結を目指す覚書に署名してから24時間も経たないうちに、海運情報各社がホルムズ海峡を通過する船舶往来の急増を報告した。

海事情報会社ウィンドワードは6月18日、戦争開始以来109日間にわたり立ち往生していた7隻の船舶が現在航行中であると発表した。一方、ロイズ・リスト・インテリジェンスは、6月18日に少なくとも14隻が海峡を通過したと報告しており、前週同日のわずか2隻から大幅に増加した。

信頼感の兆候

6月18日にウィンドワードが主催したライブ配信で、上級海事情報アナリストのミシェル・ウィーズ・ボックマン氏は、湾岸地域から最初に出港した船舶は、合意が維持されるという船主間の確信の高まりを反映しているようだと述べた。

ボックマン氏が特定した船舶には、パキスタン行きのフランス船籍の液化天然ガス(LNG)運搬船、中国国有企業COSCOグループが管理する香港船籍のタンカー、イタリア船籍の自動車運搬船、香港船籍のばら積み貨物船、そして日本船籍の超大型原油運搬船(VLCC)が含まれていた。

「今注目しているのは、輸出される貨物の量だ」とボックマン氏は述べた。「最初は少量から始まるだろうが、これは間違いなく非常に良い兆候であり、輸出貨物に対する信頼の高まりを示す初期の指標だ。」

ロイズ・リスト・インテリジェンスの報告によると、6月18日にホルムズ海峡を通過した船舶は少なくとも14隻に上り、1週間前の同日のわずか2隻から大幅に増加した。

2026年4月20日、ホルムズ海峡付近のアラビア海をパトロールする米軍部隊(米海軍提供/ゲッティイメージズ経由)

ロイズによると、イタリアのグリマルディ・グループ、中国のCOSCO、日本の日本郵船(NYK)など、世界最大級の海運グループが管理する船舶が湾岸地域からの出航を開始した。

ロイターの船舶追跡分析によると、サウジアラビア船籍のバハリ級スーパータンカー3隻が、約600万バレルの原油を積載して、協定署名から数時間後に海峡を通過した。

紛争中、タンカーはトランスポンダーの電源を切ることで航路の一部を隠蔽していた。

017年3月12日、ペルシャ湾岸に位置するイランのハルク島にある石油施設(アッタ・ケナレ/AFP通信/ゲッティイメージズ経由)

ロイズ・リスト編集長のリチャード・ミード氏はメモの中で、重要な指標は湾岸地域から出航する満載のタンカーではなく、新たな貨物を積み込むために戻ってくる空のタンカーだろうと指摘した。

「積荷を載せたタンカーを中東湾岸地域から移動させることは、石油市場の帳簿上では表面的な動きに過ぎない」とミード氏は6月18日に記した。「真のシグナルは、空のタンカーが湾岸地域に入ってくることだ」

エネルギーデータ分析企業Kplerによると、カタールエナジー社のLNGタンカーがラス・ラファン港に帰港し、20万9千立方メートル以上のLNGを積み込んだ。これは戦争に関連した海上輸送の混乱が始まって以来、積み替えのために湾岸地域に再入港したカタールエナジー社チャーターの船舶としては初の事例となる。

Kplerのアナリストは6月18日のXへの投稿で「貿易業者や船主は海峡を通過する船舶の動きを、この地域最大のエネルギー輸送ルートがどれだけ信頼を取り戻しているかを測る目安として注視している」と述べ、外交上の突破口によりホルムズ海峡を通過する船舶の流れが正常化するとの「期待が高まっている」と指摘した。

合意によりエネルギー回廊が再開へ

トランプ大統領とペゼシュキアン大統領が署名した14項目の覚書は60日間の交渉期間を定めており、その間は軍事作戦が停止され、商船のホルムズ海峡における安全な航行が保証される。

この合意により、イランは石油輸出の即時再開が可能となり、石油販売を支えるために必要な銀行、輸送、保険、海運サービスに対する制裁の免除も認められた。

イラン当局者らは、合意の履行は既に始まっていると述べた。

イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は18日、国営メフル通信を通じて「我々の監視では、イランの船舶は問題なく港に出入りしている」と語った。

覚書は、米国がイランの港湾に対する海上封鎖を段階的に解除するのに伴い、30日以内に海峡を通る船舶の航行能力を完全に回復させることを求めている。一方、交渉担当者らは、より広範な制裁緩和やイランの核開発計画といった未解決の問題を網羅する包括的合意を目指している。

ホルムズ海峡再開に向けた最初の動きは、すでにエネルギー市場に大きな影響を与えている。

2026年4月20日、ホルムズ海峡付近のアラビア海で、M/Vトゥースカ号の近くをパトロールする米軍部隊(米海軍提供/ゲッティイメージズ経由)

トレーダーらがイランの石油輸出再開と、地域に滞留していた数百万バレルの原油放出を織り込んだことで、ブレント原油は6月18日、戦争開始以来初めて1バレル78ドルを割り込んだ。

船舶の往来が増加しているにもかかわらず、業界関係者は海運とエネルギーの流れが完全に正常化するまでに数か月を要する可能性があると警告している。

ロイズはメモの中で「1万載貨重量トンを超える商船約550隻が中東湾岸地域からの出航準備を必要とするだろう」と述べた。内訳はタンカー約160隻、ばら積み貨物船約200隻、コンテナ船約60隻、自動車運搬船約10隻となっている。

独立系タンカー船主を代表する国際タンカー船主協会(INTERTANKO)は、大規模な航行が再開される前に、船主は機雷除去作業と航行の自由に関する保証を依然として必要としていると述べた。

INTERTANKOのマネージングディレクター、ティム・ウィルキンス氏は「もちろん、一部の船舶は動き出すだろう。それは自然なことだ」と述べた。

ロイズ市場協会のCEO、シーラ・キャメロン氏は6月18日、機雷の脅威除去に関する保証に加え、「制裁措置、テロ対策法、通行料の支払いに関して、より明確な説明が必要だ」と述べた。

ロイズ・オブ・ロンドン保険市場における全保険引受会社の利益を代表する団体の代表であるキャメロン氏は「湾岸地域の復旧への道のりは長く複雑なものになるだろう」と語った。

「船舶が本来あるべき位置から外れ、サプライチェーンが混乱している現状では、国際海運が正常な状態に戻るには数か月を要するだろう」

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。
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