台湾・高雄市議会 『国家の臓器』支援決議案を可決 中共の妨害行為に対抗

2026/06/19 更新: 2026/06/19

中国共産党による臓器収奪問題を扱ったドキュメンタリー映画『国家の臓器』の上映を支持する決議案が17日、台湾南部の高雄市議会で全会一致により可決された。

決議案は、中共による越境弾圧への反対を明確に打ち出したもので、台湾の六大直轄市の議会として初めて中共による「治外法権」的な干渉行為に対抗する事例として注目を集めている。

『国有臓器』は、中共による法輪功学習者に対する臓器収奪について追及するドキュメンタリー映画で、国際的な映画賞を複数受賞している。昨年7月の台湾初上映以来、台北市、新北市、桃園市、台中市、台南市、高雄市などで900回以上上映されたという。

今回の決議案は、与野党の市議3人が共同で提出した。

決議案では、高雄市警察局に対し、人権問題を扱う映画の上映施設への巡回や安全点検の強化を要請。また、文化局や教育局に対しては、人権問題を扱う作品の上映活動を支援し、表現の自由を守る姿勢を示すよう求めた。

さらに、米国やドイツなどの法制度を参考に、中共など外国勢力の指示を受けて行われる嫌がらせや脅迫行為を処罰するための「反越境弾圧」関連法案の整備を総統府に促す。

そのほか、越境弾圧の手法や通報制度に関する市民向け教育の推進や、関係部局による進捗報告制度の整備も盛り込まれている。

同映画を台湾に導入した映像配給会社「雄獅影視文化」の管建忠総経理は、「地方議会が中共の長腕管轄を認めない姿勢を示したことは大きな意義がある」と評価した。

管氏によると、『国有臓器』の上映を巡っては、これまでに約150件の脅迫や妨害行為が確認されているという。「台湾の2300万人の自治と自由は、いかなる外国勢力によっても侵害されてはならない」と強調した。

管氏はまた、中国での臓器移植を仲介したとして台湾の医師らが有罪判決を受けた事件にも言及。「台湾人が中共の臓器収奪ビジネスの協力者となる事態を防ぐため、臓器収奪を取り締まる特別法の制定が必要だ」と訴えた。

臓器移植仲介事件が波紋

管氏はさらに、一部の台湾人が中共による臓器摘出の共犯者となっている実態にも言及した。

台湾の著名な肝移植医師、陳堯俐氏らが、患者9人を中国へ紹介して臓器移植を受けさせ、仲介料として1466万台湾元(約49万ドル)を得ていた事件を例に挙げ、「台湾の恥であり、社会的な警鐘となった」と述べた。

陳氏は2008年以降、看護師やバイオ企業関係者らと共謀し、中国本土での肝臓・腎臓移植を違法に仲介したとして有罪判決を受けたが、懲役2年、執行猶予5年の判決にとどまった。

管氏は、この事件を受けて立法院で超党派の公聴会が開催され、多くの専門家が「強制臓器摘出犯罪を取り締まるための特別法制定が必要」と訴えたことを紹介した。

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