拘束されていない法輪功学習者も標的か 臓器収奪めぐり米報告書

2026/06/22 更新: 2026/06/22

2026年5月、法輪大法情報センターが中国問題に関する米国連邦議会・行政府委員会(CECC)に提出した報告書で、拘束されていない法輪功学習者も、臓器収奪の危険にさらされている可能性を示した。

アメリカ下院議員で、CECC共同委員長を務めるクリス・スミス氏は、この報告書について大紀元の取材に応じ、中国共産党(中共)は法輪功学習者に対してジェノサイド、すなわち集団殺害を行っていると述べた。

法輪大法情報センターは2025年9月~26年3月にかけて、アメリカ在住の一部の法輪功学習者を対象にオンライン調査を実施した。その中で、安徽省安慶市出身の回答者による証言を特に注目した。

この回答者は、2023年に安徽省で、拘束されていない法輪功学習者が地元警察に呼び出され、採血や健康診断を受けるよう求められたと証言した。こうした検査は、臓器移植の適合確認に使われる可能性があるという。

報告書は、この回答者の証言として次のように記している。

「2023年3~6月にかけて、地元の一部の法輪功学習者が警察に呼び出され、血液検査と健康診断を受けさせられた。これは彼らから聞いた話だ」

「その後まもなく、私は派出所に呼び出されて事情聴取を受けた。その際、廊下で市内の公安分局治安課の課長に会った」

「私は彼にあいさつし、『最近、一部の学習者が健康診断に呼ばれているそうですが、なぜ私は呼ばれていないのですか』と尋ねた」

「すると彼は、『健康診断が良いことだと思っているのか』と言い、すぐにその場を離れた」

法輪大法情報センターの報告書はまた、「中共が全国的に法輪功を消滅させる政策を長期にわたって推し進める中、中国国内の法輪功学習者は、自宅で生活している場合であっても、臓器収奪の危険にさらされている。彼らはいつでも、どこでも、恣意的に逮捕・拘束される可能性があるためだ」と指摘した。

2019年6月17日、中共による臓器収奪を調査してきた国際独立民衆法廷「中国法廷」は、英ロンドンで最終裁定を発表した。同法廷は、中国で良心犯を対象とした臓器収奪が長年にわたって行われ、現在も続いていると認定し、法輪功学習者が臓器供給源の主要な対象になっていると結論づけた。

臓器移植では、血液型の適合確認が必要となる。明慧ネットによると、拘束されていない法輪功学習者が健康診断や採血を受けさせられる事例を、中国各地で確認している。

自宅で強制採血 上海警察「国家の規定」

2014年9月3日、遼寧省丹東市の六道溝派出所の警察官、許軍は、法輪功学習者の魏麗明さんの自宅を訪れ、「上層部から、法輪功関係者の血液サンプルを採取し、血液型とDNAを調べ、指紋を取り、資料を整理するよう求められている」と話したという。

魏さんが所属する地域の派出所では、警察官が「これは第一陣であり、今後は全員が対象になる」と話していたという。また、将来的には身分証に血液型やDNA情報を記載すると述べていた。魏さんは、十数人の名前が載った名簿を目にしたという。

2020年8月2日には、上海市の法輪功学習者、沈芳さんの自宅に警察が押しかけ、強制的に採血しようとした。

4人の男性警察官が高齢の沈さんの体を押さえ、手首をつかんで採血しようとした。沈さんは抵抗し、なぜ血を採るのかと問いただした。警察官らは「これは国家の規定だ」と繰り返したという。

拘束中の血液検査も広く存在

法輪大法情報センターの今回の調査には、アメリカ在住の法輪功学習者1千人以上が参加した。このうち、中国で拘束された経験のある学習者の半数以上が、拘束中に血液検査や不審な医療検査を受けたと回答した。

報告書は、「拘束経験者の2人に1人がこうした検査を受けたと報告している。この事実は、この行為が中国でかなり広く行われていることを示している」と指摘した。

「法輪功学習者は刑務所内で拷問を受けていたにもかかわらず、こうした健康診断を受けるよう求められていた。回答者が最も多く挙げたのは血液検査だった。一部の学習者は、X線検査、心臓検査、視力検査、超音波検査、DNA採取も受けたと報告している」

「最も新しい健康診断は2024年に行われたもので、最も古いものは1999年にさかのぼる」

「34件の健康診断は過去10年間に行われていた。つまり、中共当局が囚人からの臓器調達を停止し、その後は自発的な臓器提供のみを受け入れていると主張した後の時期にあたる」

中共は2015年以降、自発的に提供した臓器のみを使用していると主張している。しかし、これまでに示した証拠には、中共が臓器提供データを偽造している可能性がある。

米議員「中共は法輪功に対しジェノサイド」

2024年3月20日、CECC委員長で、米下院議員のクリス・スミス氏は、ワシントンで開かれた中共政権による臓器収奪に関する公聴会に出席した。

法輪大法情報センターが提出した報告書について、スミス氏は、中共が拘束されていない法輪功学習者に対して採血や健康診断を行っていることは、臓器収奪の犯罪が拡大していることを意味すると述べた。

また、中共が法輪功学習者から臓器を奪う主な理由について、「法輪功学習者は健康であり、中共が彼らを憎んでいるからだ」と指摘したうえで、「これは法輪功学習者に対するジェノサイドだ」と述べた。

法輪功は「真・善・忍」を原則とする仏家の修煉法で、5式の功法動作を含む。1999年以前には、中国国内の学習者数は7千万人から1億人に達した。当時の江沢民政権は、修煉者数が中共党員の数を上回ることへの恐れなどから、法輪功に対し「名誉を汚し、経済的に破綻させ、肉体的に消滅させる」とする弾圧政策を命じた。

スミス氏は、「結局のところ、刑務所にいる法輪功学習者は何の法律にも違反していない。彼らは完全に無実だ。そして、刑務所の外で強制的に採血されている法輪功学習者について言えば、中共が臓器収奪という暴行全体を拡大していることを意味する。中共は日々、新たな被害者を探しているということだ」と述べた。

さらに、「だからこそ、私たちの法案、つまり私の法案は、アメリカであれ世界のどこであれ、中国を含め、この臓器収奪に関わるネットワークに関与する者を刑事罰の対象にするものだ」と語った。

スミス氏は「2025年臓器収奪停止法案」の提出者である。同法案は2025年5月7日、米下院で可決した。

同氏は、「この法案は、臓器収奪に関わるネットワークに関与する組織や個人に対し、強い抑止力を持つと信じている。すべての犯罪をなくすことはできないかもしれないが、効果的に抑え込み、より多くの被害者を救うことにつながるはずだ」と述べた。

また、「アメリカの刑事法規が及ばない場所では、『グローバル・マグニツキー法』に基づく制裁を用いることができる。臓器収奪に関与した個人に対して、その他の制裁を科すことも可能だ」と語った。

2026年6月17日には、アメリカ上院外交委員会が「法輪功および臓器収奪被害者保護法案」を可決した。同法案は今後、上院本会議での採決に進む。この法案は、中共による臓器収奪に関与、または協力した個人・団体に制裁を科すとともに、アメリカ政府に対し、中国の臓器移植制度を調査するよう求めるものだ。

李辰
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