6万人がスペイン領セウタに不法越境 欧州でシェンゲン資格停止論

2026/08/01 更新: 2026/08/01

7月30日夜、北アフリカにあるスペインの飛び地セウタで、異例の深刻な国境危機が発生した。数万人が海路や陸路でモロッコから不法に越境し、少なくとも57人が死亡した。突如として押し寄せた大規模な移民流入を受け、EUの複数の加盟国は、スペインのシェンゲン圏参加資格を一時停止するよう求めた。

スペイン内務省によると、7月30日以降、約5万人がセウタに入ったが、31日までに、その半数に当たる約2万5千人が自主的にモロッコへ戻った。一方、セウタ自治政府は、過去数日間に約6万人が流入したと推計している。

大勢の人々が検問所に押し寄せたことで、国境警備は一時的に機能不全に陥った。泳いで越境しようとして溺死した人や、タラハル海岸のフェンスを突破しようとした際、押し寄せた人々に巻き込まれて死亡した人もいた。

数万人の移民が流入したため、収容施設は定員を大幅に超え、多くの人が路上で寝泊まりせざるを得ない状況となっている。

セウタ自治政府主席のフアン・ヘスス・ビバス氏は、今回の事態を「深刻な人道危機」と強く非難し、中央政府に非常事態を宣言するとともに、国境警備のため軍を派遣するよう求めた。

スペイン首相「領土への侵害」と非難 欧州各国が強く反発

スペインのサンチェス首相は、対応を指揮するため急きょセウタに入り、大規模な越境について「スペインの領土の一体性に対する侵害だ」と厳しく非難した。

サンチェス氏は、安全確保のため国のあらゆる資源を投入し、不法入境者を速やかに送還すると表明した。

今回の危機を受け、ヨーロッパ各国では衝撃と警戒が広がり、複数の首脳が強硬な措置を取るよう求めた。

イタリアのメローニ首相とデンマークのフレデリクセン首相は、EUがスペインのシェンゲン圏参加資格の一時停止を検討すべきだと主張した。両首相は、情勢を協議するため、ヨーロッパ各国の首脳による会議の開催を進めている。

フィンランドのランタネン内相も、スペインのシェンゲン圏参加資格を一時停止する案に支持を表明した。

ランタネン氏は、シェンゲン圏の外部国境を守る責任を果たしていない国は、同圏にとどまる資格はないと強調した。

スウェーデンのクリステション首相も、スペインに対し、シェンゲン協定上の責務を果たすよう求めた。

ドイツのフメルツ首相は、スペインが一刻も早く事態を再び掌握する必要があると述べ、モロッコに対しても、移民の送還を速やかに受け入れるよう求めた。

フランスのヌニェス内相は、フランスとスペインの国境で検査を強化するとともに、国境警備の緊急対応部隊を出動させるよう指示した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、規則に従わないEUへの入境は認めないと強調した。

李言
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