中国製太陽光パネル 米国へ迂回輸出 月1億ドル規模の新ルート

2026/08/17 更新: 2026/08/17

トランプ米大統領は最近、ポリシリコン(多結晶シリコン)と関連製品に15%の追加関税を課し、最低輸入価格も設定すると発表した。これを受け、中国製太陽光パネルの海外への大量輸出が改めて注目されている。ブルームバーグは、中国企業が貿易ルートを次々と変え、アメリカの関税を回避してきた実態を報じた。

ブルームバーグによると、中国製太陽光パネルはケニアとインドネシアのバタム島を経由する約2万マイル(約3万2187キロ)のルートでアメリカに輸出されている。このルートが使われ始めてから1年もたっていないが、貿易額は月1億ドル(約32億台湾ドル)を超える。

中国企業はアメリカの関税を避けるため、生産拠点を国外へ移してきた。当初はベトナム、その後はインドネシアに移ったが、アメリカが新たな関税を導入するたびに、さらに別の国へ生産を移してきたという。

こうした関税回避を繰り返す「もぐらたたき」のような状況に対し、トランプ政権は新たな措置を打ち出した。アメリカは12月4日から、すべてのポリシリコンと関連製品に、現在の市場価格を上回る最低輸入価格を設定するとともに、15%の関税を課す。

ブルームバーグは、こうした貿易ルートの存在によって、中国企業が世界平均の2倍を超える価格で取引されるアメリカ市場に参入するため、いかに大きなコストをかけているかが浮き彫りになったと指摘する。アメリカ政府が特定国を対象とした関税措置から方針転換した背景にも、こうした実態があるという。

2025年には、インドネシアがアメリカにとって最大の太陽光パネル輸入元となった。2026年にアメリカがインドネシア産の太陽光関連製品に関税を課すと、インドネシアからアメリカへの輸入は急減した。

ところが、インドネシア側の輸出統計を見ると、アメリカ向け太陽光パネル輸出は大きく減っていなかった。

理由は、インドネシアで組み立てた製品の一部が、アメリカの輸入統計ではインドネシア産として扱われていないためだ。アメリカの税関規則では、太陽光パネルの原産国は最終的に組み立てた国ではなく、太陽電池セルを製造した国で決まる。

インドネシアの組立業者は、ケニアやニジェールから太陽電池セルを仕入れ、中国からその他の部品を輸入してパネルを組み立て、アメリカに輸出している。このためアメリカの統計では、ケニアやニジェールなどアフリカ諸国を原産国とする太陽光パネルの輸入が急増した。6月には月1億ドル近くに達した。

この供給網では、まず中国のメーカーが製造したシリコンウエハーをアフリカの新設工場に輸出する。現地で太陽電池セルに加工した後、インドネシアに送り、太陽光パネルに組み立てる。完成品はそこからアメリカへ輸出される。

張原彰
関連特集: 米国