南シナ海 実効性あるルール構築が焦点 ASEAN会合で国際法順守を確認

2026/07/23 更新: 2026/07/23

フィリピンの首都マニラで7月22日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議が開かれ、緊張が続く南シナ海情勢が主要な議題となった。日・ASEAN外相会議では、力や威圧による一方的な現状変更を認めない立場と、国際法に基づく海洋秩序の重要性が改めて示された。

南シナ海を巡る議論の焦点は、海上での衝突を防ぎ、地域の安定を維持するための実効性あるルールを構築できるかである。日・ASEAN外相会議ではASEAN側が南シナ海情勢に言及し、共同議長を務めた茂木敏充外相は、力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに強く反対する日本の立場を表明した。

その上で茂木氏は、中国とASEANの間で交渉が進められている南シナ海行動規範(COC)について、国連海洋法条約(UNCLOS)に沿った内容となることに強い期待を示した。行動規範を策定するだけでなく、国際法との整合性を確保できるかが、南シナ海の秩序を左右する論点となっている。

日本は、外交的な働きかけに加え、ASEAN各国の海上法執行能力を強化する必要性も強調した。巡視船の供与などを通じて各国を支援しており、「平和と安定のためのパートナー」として、今後も協力を続ける姿勢を示した。

こうした議論の背景には、中国とフィリピンの間で繰り返される海上の緊張がある。会合直前の20日には、南シナ海で中国海警局とフィリピン海軍の要員が衝突し、双方が相手国の大使を呼び出す事態となった。行動規範を巡る交渉が続く一方、現場では偶発的な衝突が地域情勢を一段と不安定化させかねない状況が続いている。

南シナ海を巡っては、米中両国の立場の隔たりも鮮明である。米国のルビオ国務長官はフィリピンメディアへの寄稿で、通商を地政学的な武器として利用する国の支配下に南シナ海が置かれれば、「恐るべき新たな脅威」をもたらすと中国を念頭に警告した。

マニラでは、ルビオ国務長官と王毅外相による約90分間の米中外相会談も行われ、9月に予定される習近平の訪米に向けた準備や、貿易、台湾などを巡る相違の管理について協議した。南シナ海情勢を含む地域の緊張の背景には、こうした米中間の戦略的な競争もある。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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