米中共同論文3640本 規制強化でも続く「中共軍」との協力 懸念広がる

2026/08/24 更新: 2026/08/24

トランプ政権が科学技術の国外流出に対する規制を強化する中、アメリカのトップ研究者と中国共産党(中共)の軍・国防関連機関との共同研究が続いていることが明らかになった。専門家は、アメリカの機微な技術や研究成果が北京に流出する可能性を警告している。

米誌ニューズウィークが8月22日に報じたデータによると、昨年1月以降、アメリカと中共の研究者が共同で発表した論文は3640本に上った。第三国の研究者が加わった論文を含めると5750本に達する。

データをまとめたのは、研究安全・誠実性センターの創設者、ジェフリー・ストフ氏だ。研究出版物データベース「Dimensions」のデータを基に分析した。

中共の科学技術体制を長年研究してきたストフ氏は、中共の研究機関は所属関係が複雑で、軍や国防当局の傘下にある組織を公開情報だけで特定するのは容易ではないと指摘する。米中の科学技術協力は、表面上の数字以上に複雑な実態を抱えている可能性があるという。

中共の核兵器研究機関とも協力

データによると、過去1年半の間に、アメリカの研究者が中国工程物理研究院の関係者と共同で発表した論文は99本に上った。同研究院は中共の核兵器開発を担う機関で、四川省綿陽市に本部を置き、中国各地に研究機関を展開している。

アメリカの研究者はまた、中共が「国防七校」「兵工七子」と呼ぶ大学の研究者とも2620本の論文を共同発表していた。

対象には北京航空航天大学やハルビン工業大学などが含まれる。共同研究は工学、先端材料、ロボット、航空宇宙、半導体など幅広い分野に及び、一部には軍民両用技術に関わる研究も含まれている。

同じ期間に、アメリカの研究者が中共軍関連のその他の機関と共同発表した論文は777本に上った。協力先には軍病院や医科大学、研究機関などが含まれる。

さらに、中共の国有国防企業との共同論文も144本に上り、航空宇宙や電子、造船などの分野に及んでいた。

ストフ氏は、一部の共同研究、とりわけ医学研究は一見すると明確な民生分野に見えるものの、研究によって得られた知識や技術の多くが中共軍に移転される可能性があると指摘している。

規制強化後も協力続く

ストフ氏によると、トランプ政権が機微技術の流出規制を強化した後も、アメリカのトップ研究者と中共との協力は続いている。

アメリカの一部の大学では、国家安全保障やアメリカのイノベーション体制が長期的に抱えるリスクを十分に考慮するよりも、共同研究が現行法に適合しているように見せることに重点を置いている。

米国防総省も最近、研究活動に関する安全対策を強化し、米政府が規制対象に指定した中共の機関・当局と協力関係にある一部のアメリカの機関への助成を打ち切った。

国防総省は今月10日、アメリカの30大学を対象に研究安全に関する監査を実施すると発表した。ただ、対象となる大学名は公表していない。

ハーバード大にも議会の調査

一方、米議会の2委員会はこのほど、ハーバード大学を対象とした調査結果を公表した。報告書は、同大学の一部の共同研究や資金提供をめぐり、中共の影響を受けるリスクがあると指摘している。

調査報告によると、ハーバード大学と「国防七校」に含まれる大学との協力は近年増加している。また、同大学の研究政策では、研究安全上のリスクを十分に防げないとしている。

これに対しハーバード大学は、調査報告の一部の記述に同意しないと反論した。同大学のスポークスパーソンは、中共がもたらす地政学的リスクを含め、同大学もさまざまなリスクを認識していると説明。その上で、アメリカの利益と国家安全保障を前提として、研究・学術面での協力を今後も進めていく方針を示した。

高杉
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