AIデータセンター建設拡大 米国で電気工など技能職の需要高まる

2026/08/29 更新: 2026/08/29

AIブームの恩恵は、テクノロジー企業の求人だけにとどまらない。アメリカではデータセンターや電力設備などのインフラ建設が相次ぎ、電気工や左官工、配管工、重機オペレーター、物流担当者など、熟練技能者への需要が急速に高まっている。

建設機械メーカーMerlo Americaのゼネラルマネージャー、コール・レンケン氏はFoxニュースに対し、大規模プロジェクトではまず重機オペレーターが土地を造成し、物流担当者が資材の搬入や手配を担う。その後、コンクリート工事や電気工事、配管工事へと進んでいくと説明した。なかでも電気工は、特に強い需要が見込まれるという。

レンケン氏は「長年にわたり、技能職の魅力は十分に知られてこなかった。収入が非常に安定しており、安定した生活を送りやすい仕事でもある」」と語った。

Merlo Americaと営業予測データ会社BiltData.aiがまとめた報告によると、アメリカの建設支出は2026年の2兆2200億ドルから、2031年には2兆8500億ドルに増加する見通しだ。このうち工場やデータセンターなどの産業施設の建設支出は、2031年までに6840億ドルに達し、アメリカの建設支出全体の約24%を占めると予測している。

こうした建設ラッシュは、AIやクラウドコンピューティング、5G関連インフラの急速な拡大と密接に関係している。

データセンターの建設には、土地の造成から建物の施工、設備の設置まで多くの人手が必要になる。さらに、施設の完成後も設備の運用や保守を担う人員が必要だ。

AIインフラ企業Alpha Computeのブリタニー・カイザーCEOは、データセンターの完成後も設備の設置や運用監視、保守を行う人員が必要で、施設の増設や拡張が続けば、引き続き建設作業員も必要になると説明した。

「こうしたプロジェクトは、今後何年にもわたって数百人、場合によっては数千人の雇用を生み出すことができる。短期間で終わる建設プロジェクトではない」

カイザー氏は、データセンターでは施設の増設や拡張が続くため、建設や電力、エネルギー開発、監視、保守など幅広い分野で継続的に人手が必要になると指摘した。

こうした継続的な需要は、データセンター周辺の地域にも新たな雇用をもたらす可能性がある。特に、専門的な訓練を受けて関連職種に就くことのできる住民にとって、新たな就業機会につながる。

カイザー氏は「こうした仕事に必要な技能は、訓練で身につけることができる。地域社会と協力して教育・訓練プログラムを実施すれば、未経験者でも高収入の仕事に就く機会を得られる」と語った。

一方、建設プロジェクトが増えるにつれ、十分な数の熟練技能者を確保できるかが課題となる可能性もある。

レンケン氏によると、これまでのキャリアの大半を通じて、さまざまな技能職で人手不足が続いてきた。今後さらに多くのプロジェクトが始まれば、人材不足は一段と深刻になる可能性があるという。

AIインフラの建設ラッシュは、最先端技術であっても、それを支える実際の設備やインフラと、それを建設し、維持する熟練技能者が欠かせないことを改めて浮き彫りにしている。

「私から見れば、これまで見過ごされてきた分野だ」とレンケン氏は語った。

AIインフラをめぐる競争が激しくなるなか、これまでハイテク職に比べて注目されにくかった熟練技能職にも、再び関心が集まり始めている。

季薇
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