サッポロ ノンアルビール生産を米国に移管 カナダ産品に50%関税で

2026/09/08 更新: 2026/09/08

アメリカが一部のカナダ産品に50%の追加関税を課したことを受け、サッポロビールはアメリカ向けノンアルコールビールの生産をカナダからアメリカに移す方針だ。

ブルームバーグによると、サッポロビールは2027年上半期までに生産移管を完了する計画だ。米西海岸でのビール工場の買収や新設に加え、米メーカーへの生産委託も検討している。

サッポロビールの松風里栄子副社長兼最高経営戦略部門の責任者は、関税は自社では左右できない要因だとして、現地生産を進める必要があるとの考えを示した。

アメリカ市場については規模が大きく、サッポロブランドの市場シェアも伸びているとして、「この機会を生かしたい」と述べた。

今回はカナダ事業全体をアメリカに移転するわけではない。

サッポロはカナダにも事業基盤を持つ。2006年にはカナダのビール大手スリーマン・ブルワリーズを買収した。同社はオンタリオ州ゲルフに本社を置く、カナダ第3位のビールメーカーだ。

トランプ米大統領は今年7月、酒類の一部を含むカナダ産品に50%の追加関税を課すと発表し、8月22日に発効した。米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の原産地規則を満たす商品も、今回の追加関税の対象となる。

これにより、カナダからアメリカに輸出する製品のコストが上昇した。サッポロビールはこうした負担を抑えるため、アメリカ向けノンアルコールビールの現地生産に切り替える。

サッポロビールは近年、海外事業の拡大を進めている。2030年までに3千億~4千億円(約19億~26億ドル)を投じ、買収機会も探る計画だ。

営業利益は約400億円を目標とし、その約3割を海外市場で稼ぐことを目指している。

北米は海外展開の重点市場の一つだ。2022年には米クラフトビール大手ストーン・ブリューイングを買収した。米国内での生産能力増強を検討する一方、アジアでも新たな事業機会を模索している。

楚方明
関連特集: 北米・中南米