欧州高級ブランド6社 時価総額2500億ユーロ減少 中国の消費低迷が直撃

2026/10/26 更新: 2026/10/26

欧州の高級ブランド大手6グループの時価総額が、年初から合計約2500億ユーロ減少した。中国の消費低迷に加え、AI関連の要因による株式市場の混乱も高級品の購入意欲を冷え込ませ、欧州の高級ブランド業界では厳しい状況が続いている。

フィナンシャル・タイムズによると、対象となるのは欧州の上場高級ブランド大手6グループで、LVMH、エルメス、グッチを傘下に持つケリング、リシュモン、プラダ、モンクレールだ。

6グループの時価総額は年初から合計2510億ユーロ減少した。なかでもLVMHとエルメスの減少幅が大きく、時価総額はそれぞれ1316億ユーロ、933億ユーロ減少した。

中国市場の低迷が深刻化 高級ブランド大手3社が予想下回る

LVMH、ケリング、エルメスが10月に発表した決算では、いずれも第3四半期に中国市場での販売状況が大幅に悪化したことが明らかになった。

3社の業績はいずれも市場予想を下回った。市場予想はすでに大幅に引き下げられていたが、実際の業績はその予想さえ下回り、高級ブランド業界の長引く不振を改めて浮き彫りにした。

LVMHが10月12日に発表した決算によると、業績が市場予想を下回った主な要因は、中華圏での消費低迷だった。第3四半期の日本を除くアジア地域の売上高は前年同期比5%減少した。

一方、米国、欧州、日本市場は比較的堅調で、中国市場の低迷による影響を一部和らげた。

世界の高級ブランド業界は約3500億ドル規模に上るが、3年間にわたる成長鈍化から抜け出せずにいる。業界最大手LVMHの業績が市場予想を下回ったことは、業界全体の回復が進んでいない現状を浮き彫りにした。

LVMHの最高財務責任者(CFO)、セシル・カバニス氏は、中国では経済環境の悪化によって消費者心理が急速に冷え込み、生活必需品以外の消費が大きく落ち込んでいると指摘した。

ケリング、中国人向け売上高が15〜20%減少

グッチなどを傘下に持つケリングでは、中国人消費者向けの販売不振がさらに深刻だ。第3四半期の中国人消費者向け売上高は15〜20%減少した。前四半期の減少率は約15%で、販売不振が続いている。

景気変動に強いとされるエルメスも、中国市場の低迷を免れなかった。

エルメスが10月22日に発表した第3四半期決算では、売上高が為替変動の影響を除いたベースで前年同期比4.3%増加したものの、伸び率は2020年初め以来の低水準となった。

中国を含む日本以外のアジア太平洋地域では、売上高が前年同期から横ばいにとどまった。

同社の最高財務責任者は、中国がエルメスにとって最大の市場だと説明し、現在の市場環境について「非常に厳しい」と述べた。

中国の消費低迷続く 高級ブランドの回復足踏み

過去10年以上にわたり、中国人消費者の旺盛な消費は、世界の高級ブランド業界を成長させる原動力となってきた。

しかし近年、中国では不動産市場の低迷が長引き、株式市場も振るわず、個人消費が低迷している。中国の小売売上高は、過去6か月間の月平均伸び率が0.5%を下回り、前年に比べて大幅に減速した。

こうした消費の弱さは、高級ブランド各社の業績や株価にも影響を及ぼしている。調査会社バーンスタインのアナリスト、ルカ・ソルカ氏は、期待されていた中国の高級品消費の回復が足踏みし、企業業績や株価の重荷になっていると指摘した。

張婷
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