【大紀元日本5月29日】人材派遣を手がける米国大手企業・ハドソン・ハイランド・グループは、人民元切り上げの可能性が高まれば、多国籍企業による中国進出ブームは冷えるだろうと発表した。
ハドソン・ハイランド・グループ会長・Jon Chait氏はロイター通信社とのインタビューで、人民元切り上げの憶測や、先週発表された一部の紡績輸出製品に対する関税引き上げなどの政策は、多国籍企業にとって中国でのビジネスにリスクが伴うことを示唆している、と語った。
中国人民元のレートは米ドルに対して固定されており、そのため安価な中国製品が海外の市場に出回っている。それに対して米国製造業界からは不満の声が上がっているが、逆に中国に製造基地を設けて海外へ輸出していた米国企業は、人民元切り上げにより今までのような利益を得ることができなくなる恐れがある。
「人民元切り上げの話題や、関税政策の発表などから、長期的に見た中国経済の見通しを懸念する声が聞かれるだろう。現在、中国はビジネス天国と言えるかもしれないが、5年後はどうなるだろうか」とChait氏は述べた。
更にChait氏は、海外企業が中国で直面している問題にも触れた。「中国の中産階級が拡大していることを知り、より大量の商品が売れることを見込んだ多国籍企業たちは中国市場に引き付けられた。しかし知的所有権の保護などが徹底されていないため、コピー商品が出回るなど、問題は多い。このままコスト的な利益が得られず、また法律も整備されなければ、海外企業はベトナムやスリランカなど他のアジア市場へ目を向け始めるだろう」。
(自由時報=盧永山)
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