【大紀元日本10月28日】アジアで60人の死亡を出したH5N1型鳥インフルエンザは、最近再び中国の内モンゴル、安徽省、湖南省などの地域で確認された。しかし、H5N1に関する研究は中国では依然として制限されている。また、中国共産党の統制下、すべてのメディアが鳥インフルエンザの情報を報道する際、個人による取材報道は厳禁され、必ず政府の代言者である新華社の報道から引用し、一斉に報道することが要求されている。
VOAの報道によると、中国で鳥インフルエンザに関する研究を続けることは容易ではない。今年7月、H5N1型鳥インフルエンザ研究の権威者、香港大学の管秩副教授及び共同研究側の汕頭大学研究チームは、英科学誌「ネーチャー」で研究論文を発表し、▽中国西部の湖で発見された鳥インフルエンザの感染情況から、中国南部の感染情況と関係していることが推測される▽感染された渡り鳥が大洋を超え、各大陸に蔓延する可能性などを指摘した。
最近ヨーロッパで検出された鳥インフルエンザの感染情況は、正に管秩氏の推測を証明する結果となった。
しかし、管秩氏の研究が発表後、中国農業部は管秩氏の研究作業に協力せず、メディアを通して彼の研究結論に大きな誤りがあると厳しく批判した。さらに、鳥インフルエンザ研究に対して管制を強めた。管秩は、中国政府の対応について、当局は自国が鳥インフルエンザの発生地であることを隠したがる原因にした。
管秩によると、今日の中国では、鳥インフルエンザに関する研究室は三つしか設置されていない。彼が論文を発表後、汕頭大学での研究に対する制限はいっそう厳しくなったという。管氏は、中国農業部は、H5N1型鳥インフルエンザに対する研究は自分の特権と捉えているという。外部に病原菌の真相探求を制限することによって、情報に対して選択を持って使用し、自分の望みに自由に解釈できるという。
中国での鳥インフルエンザ研究が制限されている現状に、研究者たちは事態の悪化を憂慮している。
世界で人口が最も多いの中国は、飼育する家畜の数量も世界一とされている。また、毎年7千万羽の渡り鳥が中国を通過している。中国のブタ飼育量が世界の半数を占めているため、ブタに寄生する人間の病原菌が鳥インフルエンザ病原菌と結合することで、直接人間の間を伝染する病原菌に形成される可能性が高い。たくさんの専門家は、中国が人間の間を伝染する鳥インフルエンザの発生地である可能性が高いと考えている。
しかし、中国政府は二年前に起きたSARSの伝染から教訓を汲み取っていないようだ。今年5月に中国西北部地域で発生した鳥インフルエンザ感染に、中国政府はWHOなどの国際関連機関の調査の要求に対し直ちに返答しなかった。鳥インフルエンザに対する中国の協力は十分ではないと国際関連機関から批判の声が上がっている。
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