中共当局、「重大な動物伝染病が発生する際の応急条例」公布の内幕

2005/11/22 更新: 2005/11/22

【大紀元日本11月22日】中国国務院は20日、新華ネットで「重大な動物伝染病が発生する際の応急条例」を公表し、「重大な動物伝染病を迅速に制御・撲滅し、正常な社会秩序を維持するための緊急措置である」と説明した。政権の維持に不利な事件に対する是までの当局の処理手法を考えると、この緊急条例の発表はどのように読み取ればいいのか?

条例公布の前日に、中国国内サイト「天涯論壇」で、最近遼寧省で新たに6人が鳥インフルエンザのH5N1ウィルスに感染死し、省内に感染して死亡したのはすでに77人に達したとの情報が流され、そのうちの14人の名前などの詳細情報をも掲載された。

以前にも「猫眼論壇」サイトでは、遼寧省では280人が感染し、71人が死亡したという書き込みがあった。それによると、死亡した出稼ぎ労働者は、50元の日当を稼ぐために、病死した家禽類の処分を請け負い、直後に感染して死亡したという。事件の後、約4万人の軍人が感染地に駐屯し、温家宝首相が自ら処理に当たっていたという。しかし、この書き込みはすぐに削除された。

さらに、上の書き込みの中に、鳥インフルエンザの拡散は、遼寧省の地方官僚の人為的なものによるものだという。疫病が発生し、家禽が処分された場合、国に対して処理費用を請求できるという規定があるため、地方官僚が鳥インフルエンザの拡散への対応を人為的に怠慢し、処理費用を国に水増し請求し、多額のお金を流用したという。

「重大な動物伝染病が発生する際の応急条例」の中では、次の内容が注目すべきである。つまり、「重大な動物伝染病が発生する際、物価をつり上げたり、消費者を騙したり、デマを飛ばしたり、社会秩序と市場秩序をかく乱したりする者に対し、関係政府部門から行政処分を課する。犯罪となる場合は、刑事責任を追及する」と明記し、「場合によっては、軍隊を派遣し、防疫に協力する」という。

それだけには留まらず、中国共産党は緊急事態を利用して、国民感情を操り、目障りなものを制圧する「伝統」がある。2003年新型肺炎SARSが大流行した際に、メディア報道を利用して、法輪功学習者らは「わざとSARSを感染し、社会で伝染拡大させている」とのでっち上げ情報を流し、SARS予防を口実に、法輪功学習者を大量に逮捕した。今回の鳥インフルエンザが発生した場合、ネットサイトでは「外部に情報を漏洩する人は、法輪功学習者と認定され、社会秩序を騒乱する罪名で逮捕される」との書き込みがあった。中国共産党社会に生きる国民は、弾圧の歴史を数々体験し、だれもが一旦法輪功学習者として迫害されたら、死ぬ道しか残されていないことが分かっている。

世界保健機構(WHO)は、鳥インフルエンザの大流行は、すでに時間の問題だと指摘した。中国当局による今回、条例を緊急に公布したことから、鳥インフルエンザはすでに中国で広範囲に蔓延し、その実情は深刻なものだとの憶測もある。いままで隠ぺいし続けた中国での鳥インフルエンザの発生はもはや収拾がつかなくなり、一刻も争う深刻な状況に陥ったと読み取ればよいであろう。唐山大地震や、SARS大流行などの歴史経験から考えると、中国共産党に人命を大事にし、誠実な対応を求めるのはもはや不可能であろう。