【大紀元日本6月5日】ベトナム当局は6月3日現在、15省で鳥インフルエンザ感染が発生したことを明らかにした。この1カ月間に、複数の感染例が発生し、2005年以後の初めての人間感染症例も含めている。当局は緊急対策を呼びかけているが、予防作業は手間がかかることから、国連関係者によると、ベトナム農民にはこの感染症と戦う積極さがみられないという。
米国VOAの報道によると、ベトナム動物保健部門は、哈南(ハナン)省および永富(ヨンフ)省で家禽が鳥インフルエンザに感染したことを明らかにした。ベトナム当局によると、64省のうち15省で、鳥インフルエンザ感染の発生が確認されたという。
*鳥インフルエンザ感染区、多くの家禽にワクチンを注射していない
ベトナム政府は、すべての鶏、アヒルに対して、抗H5N1型ウイルス・ワクチン注射を実施しているが、残念ながら、一部の地域でまだ実行されていない。ハノイに駐在している世界保健機関(WHO)の代表者は、「大量の鴨にまだワクチンの注射を実施していない地域は、鳥インフルエンザ感染の中心地帯になっている」と指摘した。
*鳥インフルエンザ対策の積極性にかける地方
国連食糧農業機関・駐ハノイ事務所のH5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスの専門家であるジアバールト氏は、「今年になって、地方で鳥インフルエンザと戦う人々の情熱は低減している。人々は、予防作業に疲れているようで、農民と関係者らは積極的にワクチン注射を実施していないようである。ワクチンの予防注射は、2回行わなければならないはずだが、6週間前に、一部の省は初回の注射を完了したと発表したが、その後、さらに6週間が過ぎても、まだ2回目の注射を実施しようという気配はない」と指摘した。
ベトナムの鳥インフルエンザ制圧対策はかつて効果的に実施されていたことから、国際社会で評価された。特に、2003年と05年に、93人が鳥インフルエンザに感染して、42人が死亡した後、当局は人間への感染を阻止することができた。WHO駐ハノイの代表は、ベトナム当局は必ず鳥インフルエンザの制圧対策を推進するために、引き続き努力していくことを信じているとコメントした。
5月25日、当局は2005年以後、初めての鳥インフルエンザ人間感染例の発生を発表した。感染者の男性は少し前に鶏を屠殺したことがあり、現在はハノイの病院で治療を受けている。感染が確定されれば、この男性はベトナムでの94番目の鳥インフルエンザ感染者になる。
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