【大紀元日本11月3日】10月26日から同月30日にかけて、中国山東省済南市の堤口路、大緯二路の主要道路で市民の集団抗議が相次ぎ、抗議者は数千人に上った。政府当局は、警察官数百人を出動させたが、衝突の結果、何十人の負傷者が出たうえ、抗議者十数人が連行された。
情報筋によると、抗議事件の直接の原因は、「山東済生保健品会社」の突然の破産である。山東省に出資者が30万人おり、中には全財産を掛けた出資者もいるという。同社の代表取締役・●印分(ゴン・インフェン)氏は、巨額の資金を横領し米国に逃亡した。(●…上に龍、下に共)
実際、同社はマルチ商法で発展した企業。賄賂で囲った行政府の高官や地方官僚の保護を受けて、十数年間にわたり市民から出資金を集めた。裏で結託するだけにとどまらず、当地政府や政府メディアは職務上の便宜を図り、同社を大々的に宣伝した。同社は一連の国家、省(県)、部レベルの賞を獲得。現地政府のイベントなども、この会社が扱っていた。 政府と同社の関係を知った市民は政府に抗議し、損害賠償を求めた。
現状では、現地政府は問題を解決しようとする姿勢はない上、情報の封鎖に注力している。本紙記者が同社に電話したが、留守電だった。済南市公安局は、事件があったことを認めたが、詳細については語らなかった。
行政府と結託
同社の前身は小さな保健品会社で、安く仕入れの既製品(お酒や薬など)を再包装し、高級保健品として偽り、マルチ商法を利用して高く売り出すという違法販売で発展した。
同社の代表取締役である●印分氏はかつて、地方の副区長、開発区党委員会書記、体育委員会主任などを歴任した。
マルチ商法により、出資者が増え、●印分氏は、自身の政治的背景を利用し、地方政府の土地を借り上げ、新工場を立て、事業拡大した。長期にわたり現地官僚に賄賂を贈り、違法経営している会社にもかかわらず行政府の保護を得ていた。
マルチ商法の裏
速やかに資金を集めるために ●印分氏は高利息の融資方式を採用し、妻に財務管理を任せ、違法な融資で集まった資金で偽装した。裏帳簿で何十億人民元の資金を海外に移した。子どもを英国留学させ、その上海外で不動産を購入し、海外に逃亡する準備をした。
さらに多くの人から出資金を騙し取るために、●印分氏は表と裏の両社会に力を入れた、表社会では公益イベントなどを催し、慈善寄付などし、裏ではクラブなど娯楽施設を作り、これらの場所を利用して、官員に賄賂を贈ったりした。
2003年には、不正手段を利用して、農業科学技術生態園を建てる名目で黄河北岸の耕地を安く借り、遊園地を開設した。園内の建物などすべて一番廉価な材料を利用し、安全管理に関することにはお金を使わなかった。総投資額は1・2億人民元だが、対外的には6・4億人民元の投資として宣伝した。
この公園の役割は市高官の招待と投資者を集めるだけではなく、最も大きな役割として少ない資金で固定資産価値を上げ底し、グループ企業として上場の条件を満たし、上場することで株式市場の資金を騙し取るもくろみだったという。
情報筋によると、同社は長年にわたるマルチ商法で違法な融資で事業を拡大した。会員の支部は、山東省全域から北京にも設けられ、中国最大のマルチ商法グループに発展し、総人数は数十万人に達した。融資の方法は簡単で、三回に分け一定金額の金を支払い、毎月高額な利息をもらえるというものである。●印分氏はこの手段で30億人民元を集めたが、赤字は40億人民元に上った。
政府メディアによる全面的な宣伝
同社は、済南市や山東省の政府官僚と密接な関係を結び、政府メディアも全面的にこの会社を宣伝した。現地政府のイベントもほとんどが同社主催。イベントの名前もこの会社を宣伝する効果があり、「済生ナイト」「済生カップ」など使われていた。
同社は、数年連続して「中国質サービス信用AAA級」企業、「中国保健品安心顧客満足度高」企業、「2004年影響力あるブランド」企業などの褒賞を得ていた。
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