オバマ大統領訪中:学生との懇談会、「厳密なコントロール」

2009/11/18 更新: 2009/11/18

【大紀元日本11月18日】中国訪問中のオバマ大統領は16日、上海で500人の学生との懇談会に出席し、参加者やインターネットサイトからの質問に答えた。ワシントンポスト紙は、同イベントの参加者は厳しい選抜を経ており、大多数は共産党員であると報じた。国内情報筋からも確認されている。

今回の懇談会は上海科学技術博物館で行われ、上海の名門大学・復旦大学の学長が進行役を務めた。駐中国米国大使ジョン・ミード・ハンツマン氏が大統領に同伴した。

大統領は冒頭の挨拶で、米中の協力は両国にさらなる繁栄と安全をもたらすとし、「米国は永遠に全世界にとって最も基本となる原則を代弁する(中略)。自由の表現、宗教崇拝の自由、情報を得る機会、政治への参加。これらは皆、普遍的な権利であり、少数民族や宗教信仰者を含め、すべての人々が享有すべき権利である」と語った。

その後、大統領は、在席の若者やインターネットサイトからの質問に答えた。内容は台湾問題、米中貿易、ネット検閲、環境問題に及んだ。

中国国内情報筋によると、会場の質問者のうち、2人の「大学生」の実際の身分は、復旦大学の青年団委員会研究室の副主任と同済大学外国語学院の青年団委員会の書記だった。

米紙「ワシントン・ポスト」によると、参加者は当局の厳しい選抜を経ており、大多数は共産党員だった。参加者からの質問は、中国当局の意向を強く反映しており、中国当局の厳密なコントロールの状況を露呈したイベントだったなどと報じている。

中国語が堪能なハンツマン米国大使が、インターネットからの質問を代読した。それは、中国当局のネット情報封鎖システム「ファイアウォール」について問題提起し、中国人はTwitterを自由に利用すべきか大統領の意見を仰ぐ内容だった。TwitterやFacebookなどの人気サイトは、中国国内では封鎖されている。

それに対して、大統領は、インターネット検閲を支持しないことを表明。「米国ではインターネットの利用に制限はない。私たちのパワーの源であり、支持されるべきである(中略)。自由な情報が流通すればするほど、その社会は強くなっていく。そして、世界各地の公民が自国の政府に責任を問うことができるようになる」と述べた。

中国の官制メディア「新華社」の公式サイトの関連報道では、この部分の発言内容が削除されたもよう。

懇談会終了直後、国内50以上のサイトがこの発言内容をすぐに報道あるいは転載した。しかし、同日夜8時には、そのほとんどが削除されていた。

上海市のローカルテレビ局「上海電視台」は今回の懇談会を放送した。一方、全国放送する最大の官制メディア・中央テレビ(CCTV)は放送しなかった。「新華社」は紙面報道に止め、映像は配信しなかった。ホワイトハウスの公式サイトでは生中継で報道された。

オバマ大統領は現地時間18日、中国訪問を終えて韓国を訪れる予定。

(翻訳編集・叶子)
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