【大紀元日本9月7日】中国の名門大学北京大学と清華大学の二人の教授が最近、米国著名な英文誌「サイエンス」(米国科学促進会主宰)に文章を発表し、中国の現行の科学研究費の配分体制を厳しく批判している。
文章を発表した清華大学生命科学院院長・施一公教授と北京大学生命科学院院長・饒毅教授は、政府の科学研究費の投入は年20%超の割合で増え続けているが、科学研究の体制には深刻な問題が存在しているため、中国の創造力が抑制されていると述べている。
両氏の文章によると、中国政府は大型の研究開発プロジェクトに、何千万元から何億元の研究費用を投入する場合がしばしばあるが、この研究費を取得するシステムは学識経験や研究能力の優劣とそれほど関係がなく、それよりも肝心なのは「関連の官員と学閥科学者との人脈だ」と指摘している。
関連の官員と学閥科学者は、研究費申請の全過程を主宰している。このような人脈優先の方式により、科学の進歩が抑圧され、根回し文化を培うことになってしまう。
このような暗黙のルールは、海外留学から帰国したばかりの若い学者にも影響を与え、彼らの多くは、よりたくさんの精力を人脈作りのために投入しており、学会参加や研究、学生指導に専念できなくなっているという。
しかし、執筆者は中国の科学研究費の配分体制を是正することは、非常に難しいことだと指摘する。現存体制の中の受益者たちは、改革を拒んでいるとともに、多くの研究者は、彼らとの関係を損ねたら、研究費をもらえなくなるのではと危惧しているため、この暗黙のルールに沈黙している。
両教授は、科学研究費の配分政策の策定者および科学の最前線で活躍している科学者たちに、科学研究費の配分制度に存在している問題をはっきり認識し、中国の新しい創造力を有効に発揮できるよう呼びかけている。
この文章は中国国内のネットなどで広く伝えられ、多大な反響を呼んでいる。「良識のある知識人だ」と評価する意見や、「これはただ研究費配分制度の問題だけではなく、むしろ社会制度の問題だ」などの見解が持ち出されている。
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