家族という根っこ 数字の裏で私たちは何を失いつつあるのか

2026/06/28 更新: 2026/06/28

日本政府は今月、多様な性への理解増進を国家の施策枠組みに組み込む「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の基本計画を閣議決定した。多様性の包容は、現代社会における普遍的な方向性である。

しかし、この潮流の中で、あるものが静かに変わりつつある——音も立てず、だが日増しに、月を追うごとに。

それこそが「家族」である。人類が途方もなく長い時間をかけて築き上げてきたこの制度が、今、何かしら根本的な部分から揺らぎ始めている。

 

数字が語るもの

まず、いくつかの数字を見てみよう。

2023年、日本の合計特殊出生率は1.20に落ち込み、過去最低を記録した。同年の婚姻件数は47万4,741組であり、戦後初めて50万組を割り込んだ。1971年から1974年にかけての第2次ベビーブームのピーク時には、年間の婚姻件数が100万組を超えていた。半世紀で、半分以下に激減したことになる。

次に、生涯未婚率(50歳時未婚率)を見てみる。1980年代には、男女ともに生涯未婚率は5%未満であった。それが2020年には、男性は28.3%、女性は17.8%へと上昇した。東京にいたっては、男性の約3人に1人、女性の約4人に1人が、50歳になっても一度も結婚していない計算になる。

専門家の分析は、率直でありながらも重い。「日本は結婚しなければ子どもが生まれない社会である」。少子化の根本原因は、子育てコストが高すぎることではなく、ますます多くの人々がそもそも結婚という道を選ばなくなっていることにあるのだ。

では、なぜ人々はこれほどまでに出会い、共に生きることが難しくなってしまったのだろうか。

 

孤独という、この時代で最も深い底流

内閣府による2024年の調査では、孤独感を「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人が、合わせて39.3%に達した。実に約4割の人が、孤独を抱えて生きている。

さらに深く考えさせられるのは、「しばしばある・常にある」という最も深刻な孤独感において、20代から30代の若年層の割合が最も高かった点である。人生で最も出会いや可能性に満ちているはずの年代が、実は最も強く孤独感に苛まれている。

孤独は、単なる個人の感情にとどまらない。人は長期にわたる孤立の中で、他者への信頼を次第に失い、深い関係を築く能力を損ない、最終的には他者とつながろうとする勇気さえもすり減らしていく。これは一部の人間が弱いからではなく、時代が共有する病理の現れなのである。

 

男女の別は、かつて社会の骨組みであった

『礼記』には「男女別ありて、のちに夫妻義あり」という言葉がある。

儒教の伝統において、夫婦、親子、兄弟といった倫理関係は、あらゆる社会秩序の起点であると考えられてきた。仁・義・礼・智・信といった価値観は、まず家庭の中に根を下ろし、そこから初めて社会へと広がっていく。

「修身・斉家・治国・平天下(身を修め、家を整え、国を治め、天下を平らかにする)」——この思想の核心にあるのは、家庭という土台がなければ、健全な社会など到底成り立たないという認識である。個人の教養は家庭を通じて受け継がれ、家庭の秩序が社会の安定を支えるのだ。

これは東洋固有の知恵ではない。アリストテレスもまた「家族(オイコス)は国家(ポリス)の最小の構成要素である」と述べた。文化や時代を超えて、人類はほぼ異口同音に、家庭を文明の基本単位と見なしてきた。数千年に及ぶこの合意には、それだけの深い道理がある。

 

「いつの間にか」の積み重ねが、向かう先

現在、日本社会は多くの価値観が静かに転換していくのを経験している。結婚しなくても構わない。子どもを持たないのも一つの人生である。一人ひとりの異なる選択を尊重する——これらの言葉は耳に優しく、ごく当然のことのように響く。

しかし、無数の「いつの間にか」の選択が積み重なったとき、社会全体はどこへ向かうのだろうか。

結婚や出産は、かつて人生の自然な軌道であったが、今や数ある「個人の選択」の一つとなった。結婚しないのも選択、子どもを持たない(DINKs)のも選択、同性のパートナーと共におくる生活も選択である。個々の選択自体を責める筋合いはないかもしれない。だが、社会全体の価値の重心が「継承」から「自己」へ、「家族」から「個人の感情」へと移り変わるとき、出生率の低下は偶発的な事故ではなく、必然的な帰結となる。

生涯未婚率が2%から28%へと跳ね上がったのは、誰かに強制された結果ではない。すべて個人の自由な選択の結果である。そして現在、それらの選択が積み重なった帰結が目の前に現れつつある。予測によれば、2030年代には日本の若年人口が「現在の2倍の速さ」で急激に減少し、少子化は逆転不可能な段階へと突入するという。

根を失った木は、かつてどれほど大木であったとしても、いずれ倒れるしかない。

 

幸福とは、どのような味わいか

東洋の千年の知恵は、幸福というものを素朴に描き出している。人が家庭の中で自らの役割を果たし、子どもを育て、親を敬い、世代から世代への継承の中で自らの存在意義を見出す——このような生命のプロセスの中にこそ、時間に耐えうる喜びが存在する。

これは、誰かに特定のライフスタイルを強制しようとするものではない。ただ、人類の長い試行錯誤の歴史において、これが何度も検証されてきた答えだということである。

私たちの時代は、かつてない自由と利便性を手に入れた。それと引き換えに、大切な何かをいつの間にか手放してしまってはいないだろうか。

手放してしまったその「何か」とは一体何なのか——数字の裏側で、私たち一人ひとりが静かに自問してみる価値はある。

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。
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