【大紀元日本3月30日】3月初めに発覚した、韓国の駐上海総領事館の複数の領事が一人の中国人女性と不適切な男女関係を持ち、この女性に国家機密を漏えいしたとされる事件について、韓国政府は25日、記者会見を開き、外交官として重大な職務規定違反があったとの調査結果を公表した。韓国政府の見解として当該案件はスパイ事件ではないとしている。
相手の中国人女性は_deng_新明(33歳)。女性の韓国籍の夫の告発により本件が明らかになったとみられ、事件が韓国メディアに報道されてから大きな関心を集めていた。韓国メディアの報道によると、彼女は上海市共産党委員会のトップなど、上海の中共上層部と密接なつながりを持っているという。
韓国政府関係者は、関与した領事らはこの女性に対して違法にビザ発給の便宜を図るなどしていたと言う。ただし、漏えいした情報の中に、国家機密や韓国の法律に抵触するものは含まれていないとしている。
韓国総理室事務次官の金錫民(キム チュソミン)氏は会見の席上、上海総領事館の外交官らに職務上、不適切な風潮があってこのような恥ずべき事態を招いたと非難するとともに、関係部門に対して、事件に関与した前任の総領事を含む10数人への処罰を求めた。
韓国メディアの報道によると、この事件で韓国領事から当該女性に流れた情報は、駐上海韓国領事館のビザ発給記録、韓国外交官の緊急電話連絡網、韓国政府内部の人事に関する情報のほか、多くの韓国政界要人の電話番号なども漏えいしており、その被害は、李明博(イ ミョンバク)大統領を含む200人以上に及んだという。
韓国民主党の辛鶴用(シ ナギョン)議員は、同25日に行われた国会での別の記者会見で、「_deng_(同中国人女性)が収集した機密情報からみると、彼女はただのビザ手配の仲介役ではなく、中国当局のスパイである可能性が高い」と指摘し、「(7年前の)日本の駐上海総領事館の領事や、(今年の)台湾軍の少将などが中国当局の美人工作員の罠にはめられた事件と類似している」との見解を示した。
(翻訳編集・叶子)
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