【大紀元日本12月26日】独自の視点で中国の経済、社会、政治について辛らつな意見を述べることで有名な北京大学経済学教授・夏業良氏が今月18日、台湾大学で中国の現状についての演説を行った。
夏業良教授は演説の中で、中共の改革政策はもはや死んでおり、中国が民主主義の道には、民衆による圧力が必要だと指摘した。
一党独裁は暴政を産みやすい
一党独裁は、それを監視・制約する能力がないため、もっとも暴政に至りやすい。中国の学生たちは進学や就職を希望するため、中共に入党するようだが、しかし彼らは「党とは何か、その性質、本質」などについては一切考えない。
中国の古いことわざに「党同伐異」や「結党営私」などがある。何百年、千年以上の歴史で証明されたことだが、つまり党に組することは決して良いことではではない、ということだ。
中共は、「国家利益」があらゆるものより重要と宣伝
共産党は共産主義、社会主義などの宣伝を入念に行っており、その独自の教育は幼少期から始まる。少年先鋒隊という党組織に入隊させ、かつ毎日のように、常日ごろ、共産主義のために献身するようにと教え込ませる。
しかし、この中共に人間性はない。何年か前、新疆ウイグル自治区にある校舎で大火災が起きた際、学校長たちは小学生たちを助けるために動いたのではなく「学校を視察する教育者たちを優先に避難させよ」と命令した。その結果、教育者たちの命は助かったが、惨いことに多くの小学生が焼死した。
中共は、「国家利益」があらゆるものより重要と宣伝しているが、それを聞いているだけであれば、広大な目標であるようだ。しかし私たちには、中共政権下での何が「国家の利益」かは全く見えてこない。一部の人がその「国家利益」を享受できるかもしれないが、国民たちは享受できていないからである。
共産党はあらゆる機関を掌握
共産党は一党独裁を実施し、テレビ、放送、新聞、出版などあらゆるメディアを掌握しながら、精密に世論を作り、制御している。しかも中共は、中国に限らず、香港や台湾などのメディアにまで手を出し、コントロールしようとしている。
中国のあらゆる大学もみな国立または公立大学であり、そちらの大学はみな中共の何らかの支配されている。それが「中国の大学はみな中共の党校だ」と言われる所以である。しかも中共はスパイを使って国内の政治的異見者を逮捕したり、海外の華人を監視したりし、必要であるならば暗殺も辞さない。
中共は、国家テロの手段を使って権力といわゆる「社会安定」を維持するため、膨大な費用を費やしている。昨年はそれに支出した費用は軍費を超え5700億元にも達したというが、今年は6000億元に至るであろう。政府は、ライフラインやインフラ、メディアを独占し、国家計画経済の政策を通じて中央が経済を指導する権力を握る。
中国の学術研究の主管機構は、中共宣伝部の傘下に設立された全国社会科学企画弁公室であり、毎年の重大な研究課題などはいずれもこの機構によって決められ、発布される。したがって、今の中国は「研究らしい研究」はほぼないといっても過言ではない。かわりに、本当に価値のある研究は研究費をもらえない。
共産党は人民の自由を奪う
中国では、人々の政治、経済、言論の権利が随時に奪われうる。憲法で定められている言論自由、新聞出版自由、結社自由などは現実の中でいずれも存在しない。
最近、インターネットに関する新しい条例が公表されたが、それはミニブログに対する制約を強めるものにほかならない。その際に、中共はつねにある人物またはある組織が「不適当な内容」をネットで掲載することや、さらにはそれらの内容の中で国家政権を転覆するものもある、などと主張している。
もし、あなたが中国でこのような言葉を発したら、おそらく牢屋に入れられるのであろう。しかも、それにより死刑にもなりうる。
中国の国民たちは、弁論をする権利までも奪われている。昔、人々はある概念について、中共当局と正面から弁ずる勇気はなかった。学術上の概念についても議論するのを許されない。
しかし、大多数の国民はこの政権がもはや腐敗、堕落しきっていると十分に理解している。国民の利益に答える政治、社会を希望するのであれば、この中共政権を倒し、新しい政権が作られるのも、なんら不思議なことではない。
(続く)
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