【大紀元日本3月2日】チベット民族の正月3日目となる24日、四川省内のチベット人居住区では、共産党支部の施設でチベット人男性がガソリンに引火させて施設を爆破し焼身自殺する事件が発生した。これで一昨年から焼身自殺を図ったチベット人は23人になる。
ラジオ放送局「ボイス・オブ・チベット」(本部・ノルウェー)によると、24日朝方3時50分頃、四川省甘孜州の徳格県温拖郷の仁青里村のチベット人男性ザイシさん(32歳)は村の共産党支部でガソリンタンクに引火させて爆発させた。ザイシさんは即死した。
事件発生後、武装警官が現地の各村に配置されて厳重な警備を敷いている。また、ザイシさんの友人1人が強制連行された。
一部の情報によれば、同県のその他の2つの村でも、共産党支部の施設が放火されて全焼する事件が発生したが、死傷者は出ていない。
インドにあるチベット人権民主促進センターの責任者・ジャンバイムランさんは大紀元の取材に対し、現地の情報を収集していることを明かし、国際電話が通じないため、詳細情報の入手が困難だと話した。
ジャンバイムランさんによると、現在チベットの大都市ラサ市や、各地のチベット人居住区では、公安と武装警官による24時間体制の巡回と検問が行われている。最近、中国政府はチベット寺院への管制をさらに強化し、共産党幹部のチームを寺に進駐させ、「チベット仏教は社会主義に適合すべき」として、いわゆる愛国主義の洗脳教育を実施している。一部の寺院はすでに閉鎖されているほか、随所に検問所があり、身分証明書の提出が随時に求められる。
今年に入ってから、焼身自殺を図ったチベット人は10人に達する。2009年2月27日から2012年2月19日までに、チベット人居住区内ではすでに23人が焼身自殺を図り、そのうち15人の死亡が確認されている。
チベット仏教の最高精神指導者ダライ・ラマ14世は、「チベット人の状況が非常に絶望的で、中国政府は高圧的なコントロールを講じており、すでに文化絶滅の境地に陥っている。このことは相次ぐチベット人焼身自殺事件の裏の原因である」と述べた。
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