【大紀元日本3月28日】「王立軍は『打黒英雄』なのに、なぜ米領事館に逃げ込んだのか」。前重慶市副市長で公安局長を務めた王立軍の米領事館駆け込み事件について、全世界脱党支援センター(米ニューヨーク)には中国大陸から多くの質問が寄せられている。同センターによると、真相を知ることにより三退(中共と関連組織の共青団、更に少先隊からの脱退)を表明する人が以前より増えているという。
重慶で行われた「唱紅(革命ソングを歌い)打黒(マフィア組織を取り締まる)」運動により「打黒英雄」と称されていた王立軍は、重慶市前トップの薄熙来・共産党委員会書記の右腕であり、中国ではよく知られた存在だった。それだけに、王の米領事館駆け込み事件と、その後の薄熙来の解任など一連の出来事に多くの民衆は驚いている。「英雄」は一瞬にして「犯罪容疑者」に変わり得るのであり、中国のような無法社会では、誰もが一瞬にして転落する可能性があるのだ。
脱党支援センターのボランティアを務める李さんは、「事件が起きてから、中国大陸の人々に電話をかけると、みんな王立軍と薄煕来についての話を聞きたがります。中国大陸では報道の自由がないので、情報を入手しにくいのでしょう」と話す。李さんによると、「中共はおしまいだ」と言い切った人もいたという。
また、同センターのイナさんは、「中国の地方官僚は、いつでも粛清される恐れがあると感じています。自分の退路を残すためか、普段よりも多くの人が中共から脱退する意思を表明しています」と語った。
中国専門家は、中共は既に極度に腐敗していると指摘する。中共内部の既得権益者が派閥をつくり、バランスを維持していたが、王立軍事件でそのバランスが崩れ、かつての内部闘争が、全面的な闘争へと変わったという。一方、民衆は同事件により中共の内幕と残酷な闘争を知り、さらに中共の腐敗と貪婪(どんらん)を見極めることができたようである。2004年11月『九評共産党』(邦訳:共産党についての九つの論評)の発表がきっかけとなった「三退」運動はさらに加速されるだろう。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。