【大紀元日本5月16日】中国共産党機関紙・人民日報は14日、一面で政治改革に関する記事を掲載した。専門家は、重慶事件で政局に激震が走った今、同記事から「胡錦濤主席と温家宝主席は政治改革の問題に合意した」と見ている。
第5面を埋め尽くした「政治改革が着実に前進している」という記事。太字で目立つ位置に書かれた「権利の保障」と「権力の制約」は記事の柱となっている。
「積極的で、そして着実に政治体制の改革を推し進め、社会主義の民主政治を発展させることは党と国の永遠の目標である」
「『権力の制約』と『権利の保障』はいずれも、人民が主人公となることの保障であり、党と国を活性化させ、人民の積極性を引き出す役割がある」
など政治改革を前向きに捉える文言が盛り込まれている。しかし、これまで人民日報は温首相の肝いりである政治改革を否定する記事を掲載してきた。
昨年4月に掲載された中央紀律検査委員会の記事で、「党の紀律を守り、基本的理論、路線、綱領など重大な政治問題についてむやみに口を出し、勝手に行動をしてはいけない」という内容が温首相を牽制するメッセージだと見られている。
2010年10月、鄭青原の署名評論で「正確な政治方向からずれている」「名実が伴っていない空論」など温首相を暗に批判する論調を出された。同記事の署名とは人名ではなく、人民日報の重要な評論を作成するチームの名前で、「正本清源」(根本から整理整頓する)から同じ発音の文字を取ってつけられたものである。重要政策の方向性を示す人民日報の評論だけあって、当時、温首相の政治改革が挫折したとの見方が広まっていた。
一方、ワシントン在住の中国問題専門家・石蔵山氏は人民日報14日付の記事から、胡錦濤主席は初めて温首相の政治改革を支持する姿勢を示したと指摘、江沢民派の重鎮である周永康政治局常務委員との戦いを制したとみている。
胡主席は筋金入りの改革派ではないが、薄き来氏の事件で激動する現在の政局から、革命ソングを歌い、毛沢東を賞賛する薄氏とその後ろ盾の周永康氏を徹底的に排除しなければ、いつか文革が再来し、自身にも下ろされてしまうと危惧している。そのため、温首相と足並みをそろえる必要があると専門家は分析する。
大紀元が先日、入手した情報によると、温首相が代表する改革派が主導のもとで政治改革の草案がすでに作成されたという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。