トランプ氏の勝利で世界を驚かせた米大統領選。選挙戦を振り返って、共和党ニューヨーク本部報道官は「米国の主流メディアの不公平な報道で、トランプ氏の移民政策が誤解された」と非難した。いっぽう、大紀元と新唐人が同氏の意向を伝えていたことを評価した。
57社 vs 2社 ほとんどの米メディアはクリントン氏を支持
595日間の選挙活動を経て、政治経験ゼロの実業家ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領となった。「ヒラリー当選」を国民に意識させてきた大多数の米メディアは、面食らったことだろう。
カリフォルニア大学サンターバーバラ校(UCSB)が投票日前に行った調査では、「ニューヨークタイムズ」「ワシントンポスト」など米国メディア57社がクリントン氏を支持していたのに対して、トランプ氏はわずか2社だった。
この調査で、メディアが公平さに欠く報道姿勢であることが鮮明となった。結果的には各メディアの論調と、有権者の認識が大きくかけ離れていることが証明された。
トランプ陣営 不利となる「不公平な報道」批判
選挙終了後、共和党ニューヨーク本部スポークスマンで中国系議員・譚順熙(Oliver Tan)氏は、トランプ氏は移民について特別関心を示しており、米大手メディアが同氏の移民政策について「不公平に報道している」と非難、実際の政策について主張した。
「米国移民は将来において非常に重要。(トランプ氏は)移民そのものに反対しているのではなく、グリーンカードを所持する合法移民の権益をいかに保護していくのかに重点を置いている」とし、在米の独立メディア・大紀元と新唐人に対して「米国の中国系住民にトランプ氏の政策を正しく理解させた」と大紀元と新唐人の合同インタビューに答えた。
新唐人は7日、クリントン氏の支持者で、彼女をよく知る前駐中国大使のゲイリー・ロック氏を取材。ロック氏は「人権は米国のDNA」と述べ、トランプ氏の中国出身者を含む移民への態度は「侮辱的」とネガティブな印象であることを語っていた。
いっぽう、同日の取材に答えた共和党全国党大会兼ニューヨーク州選挙人の謝美琳氏は「多くの在米中国人はトランプ氏を支持している。教育など移民政策で良いのは共和党(トランプ氏政策)で、国の安全につながる」とのコメントを伝えた。
主要メディア3社 前日予測 のきなみクリントン勝利予想
米国大統領選投票日まで、現地メディアは一辺倒にヒラリー・クリントン氏を支持し、世論調査は同氏の勝利を示唆してきた。前日の主要メディア3社の報道をふりかえってみたい。
ロイター通信が発表した最終回の民意調査では、クリントン氏への支持率がトランプ氏より3ポイントリード、クリントン氏の勝利確率が90%、選挙人538人のうち303人を獲得できると予測した。
またニューヨークタイムズはクリントン氏の当選確率が84%と報道。ワシントン・ポストはクリントン氏は275人の選挙人を獲得して、トランプ氏は215人しか獲得できないと予測した。
蓋を開けれ見れば、選挙結果はトランプ氏が289人、クリントン氏は218人だった。
トランプ優勢の「事実」報道 大紀元
27日、大紀元は評論記事『草の根トランプ氏vsエリートヒラリー氏』を掲載し、今回の大統領選挙は「草の根」代表と「エリート」代表の戦いであると指摘。
また、票でトランプ氏への支持を表明しないが、心の内で支持する「沈黙する有権者」の存在を指摘した。これは「私はあなたたちの声だ」と共和党党大会で呼びかけたトランプ氏の言葉に共鳴した人々とされる。
11月4日、トップニュースの『投票日まで残り5日、逆転勝利?』との記事では、当選の可能性が見えてきたトランプ氏本人からは自信と自律が見られたと分析し、選挙活動に重要な「勢い」において、トランプ氏がクリントン氏を上回ったと報じた。
11月5日、トップニュースの『大統領選 ラストスパート』との記事では、「アフリカ系米国人のクリントン氏への支持が下落する」「各組合のメンバーはトランプ氏支持へ転換」と報道。これは、投票日当日接戦州のミシガン州とペンシルベニア州でクリントン氏が敗戦した主因であった。
11月7日、大紀元の評論記事「沈黙の有権者が次期政権を決めるか?」では、沈黙を続けていた有権者がトランプ氏に票を入れると伝えた。
投票日当日の11月8日トップニュースでは、両陣営が人権問題との最重要課題における姿勢を分析。クリントン陣営のあいまいな態度と、トランプ陣営の人権迫害反対と反共産主義の強い姿勢を示した。
当日の重要報道では、主流メディアの一辺倒のクリントン支持と対照に、大紀元は「メディアの論調と有権者の認識との間に大きな落差がある」と伝えた。
読者「中国国内で重大事件が起きたときは、大紀元を見る」
大紀元は国際情勢のほかに、これまで報道してきた中国政治情勢においても、中国情勢の変化や薄熙来氏、周永康氏など多くの高官の失脚を正確に予測してきたとして高評価を得ている。
香港経済情報紙「信報」の元総編集長で、著名政治評論家の練乙錚氏は、「薄熙来、周永康氏らの失脚などの重大事件が起きたとき、大紀元が掴んだ情報は正確であるうえ、情報量が充分にあることに気づいた」「香港メディアに比べて、大紀元は国内において、より多くの人脈や情報源がある。中国国内で大きな事件が起きたときは、大紀元を見るようにしている」とコメントした。
(翻訳編集・張哲)
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