世界最大規模の中国語メディアグループである「大紀元メディアグループ」の動画コンテンツサイト「新唐人テレビ」の英語版が、急躍進を遂げ、米国サイトランキングで上位に位置付けていることが明らかになった。
世界のサイトランキングを調べるAlexaによると、3月19日までの記録では、新唐人テレビ英語版(NTD.TV)は13位、世界ランキングでは79位だった。動画情報サイト「Tubular Insights 」の調べでは、新唐人の1カ月の動画再生数は11億を超え、米CNNを抑えて、全米9位に上った。
NTDの躍進は、まさに「うなぎのぼり」。データを分析する同社社員は、「facebookの広がりよりも上昇率に勢いがある」という。情報分析企業Socialbakersによると、NTDは「最も早い勢いで成長するサイト」1位になり、今年1月には575万人の新規アクセスユーザを獲得。2位のUSA TODAY、3位のFacebookに大差をつけた。
衛星放送・新唐人テレビは2001年に設立。日本語を含め多言語でニュース動画を配信する。中国共産党による専制政治で報道規制の厳しい中国から離れた華人が、米国ニューヨークで、自由で検閲のない独立メディアとしてスタートさせた。ニュースを中心に時事解説、生活、健康、小ネタなど、多様なジャンルの動画を配信している。
新唐人テレビ、CNNやニューヨーク・タイムスを超えて全米上位
Alexaによる全米サイトランキングの上位15位までを見ると、検索大手Googleやyahooネット通販のAmazon、Ebay、またソーシャルサイトのFacebookやTwitterなどが上位に食い込む。動画関連サイトではYoutubeとNetflixがランクインするが、ニュースコンテンツが中心のサイトでは、新唐人が唯一のサイト。米主流ニュースサイトであるCNNは25位、ニューヨーク・タイムスは31位となっている。
また、NTDは米国内ランキングでは昨年まで90~80万位を推移していたが、昨年12月に急進。4カ月程度で全米13位に位置付け、その勢いはゆるやかになったものの続いている。
なぜ、ここまで急上昇することができたのか。
そこには、ベトナムにおいて国内サイトランキング2~3位を競うほどに人気を確立した、ベトナム語大紀元から招へいしたアドバイザーの力があったとされる。
ベトナムのネットは、国際機関フリーダムハウスによる「ネットの自由度ランキング」では100カ国中75位と低く位置する国。 情報検閲は、政治的異論、人権と民主主義を含む共産党の規則を脅かすと考えられるコンテンツは削除やブロックされる。
これを臆することなく、NTDは伝統的価値感や心身鍛錬の重要性を伝え、著名人に指示され、SNSを通じて人気が広がった。いまは、健康や生活面コンテンツに力を入れ、幅広い支持を集めている。
順位上位となっているのはベトナムだけではない。Alexaの3月1日までの順位だと、NTDは米国18位、インド10位、英国38位、フィリピン11位、カナダとオーストラリアは27位に、それぞれ国内ランキングの上位につけている。
(文/佐渡 道世)
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