韓国メディアによると、日本でも人気のある韓国の男性アイドルグループ「SUPER JUNIOR」のメンバー、チェ・シウォンさんの飼い犬に噛まれたことによる感染症で、有名韓国料理店「韓一館」代表(53)が、21日に死亡した。韓国社会のペットに関する安全認識不足の問題が露呈し、飼い主の飼育方法を強化すべきだとの声が高まっている。
飼い主1000万人の韓国、教育と法規制は未だ不足
韓国農林省の2015年統計によると、ペットとして犬を飼う例は1000万を上回り、暮らしの一部分として定着した。しかし、ペットが人に危害を加えた事件も増加している。韓国消費者院が発表した飼い犬による咬傷事故件数は、2011年の245件から2016年には1019件と4倍以上に増えた。今回の事件では、チェさんは自分の飼い犬が人をかむ癖のあることを知りながら、口輪をつけていなかった。
韓国動物保護法によると、公共の場で犬を同行する場合、首輪などの安全対策を明示しているが、罰則は弱く、守られていない現状だ。飼い犬と同時に、飼い主の責任と教育を強化し、安全意識を正しく持たなければならないと批判が絶えない。
ペット購入時に初期社会化の訓練教育が不在
韓国内専門家らは、規制強化と同時に、飼い犬の社会化訓練が適切に行われることを強調する。幼い期時に訓練を受ければ、今回のような事故を防ぐことができると語る。
韓国・建国大学動物研究所のイ・ヒェウォン獣医は「生後2~12週までに、様々な経験をさせ、犬を人の暮らす社会に適応させるべき」と述べ、飼い主と家だけでなく、他の人、他の環境の刺激を経験させることが、犬の行動発達に大きな影響を与えると述べた。
これは、現在のペット購入システムに影響を与える。韓国、日本などでは、生後2~3ヵ月あるいはそれ以上に成長した犬をペットショップで買うため、犬は幼い時期の社会化教育を正常に受けにくい。
事故予防と事後責任に対する継続的な管理と規制も争点の一つ。ペット先進国であるドイツでは、2002年の動物保護を国の義務に明示し、性格検査「べジェンステスト(Wesenstest)」で攻撃性を調べ、専門の獣医師が周期的に行動療法と薬物療法を行う。これも効果がないと獣医が判断した場合、安楽死も行える。
「口輪は虐待ではない」 ペットを育てるときの注意点とは
韓国でペット行動の専門家として有名なガン・ヒョンウク獣医は、今回の事件についての意見を自分のSNSに掲載、「噛みたがる犬に噛めるようにするのは放任であり、この被害を受けたい人はいない」とコメントし、社会性が足りない犬に口輪を着用すべきだと強調した。
韓国に初めて「calming signal理論(犬が発するシグナルを分析し、正しい行動を誘導する教育法)」を導入した彼は,飼い主への教育と責任を強調し続け、注目を集めてきた。幼犬期からの飼い主の継続的な関心にも言及した。
「犬は、飼い主に敷居を飛び越えることから排泄する姿まで、行動一つ一つを見せたがる」と犬には世話をする存在が必要であることを示唆した。 「一匹だけでおくと、子犬は思い出もなく寂しく成長しなければならない…いくら良い訓練士も子犬の頃の傷までは治療できない」とガン獣医は指摘する。
(翻訳編集・齊潤)
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