[ワシントン 12日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領が、過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討したとしてシリアからのロシア軍撤退開始を命じたことを巡り、米当局は懐疑的な見方を示し、ISに対する勝利宣言は時期尚早だと指摘している。
プーチン大統領は11日、シリアにあるロシア軍のへメイミーム空軍基地を電撃訪問し、過激派組織に対するロシア軍のシリア政府支援はほぼ終了したと述べた。
ロシアとシリアはISの最後の拠点が奪還された後にシリアが和平に向かうとの考えを示している。しかし米当局者は、国の安全を確保するにはシリア軍の規模は小さすぎ、軍事力は十分でないと指摘。政治的問題が解決されなければ、ISが再び台頭する可能性があるとみている。
米国家安全保障会議(NSC)の報道官は、ロシアのIS掃討宣言は「時期尚早だと考えている」と述べた。勝利宣言が早期に行われたが、情勢が安定しなかったケースはこれまでにもあったとした。
米トランプ政権の高官は、政治的対立が解消されない場合、シリアが再び内戦に陥る可能性が高いとの見方を示した。
ティラーソン米国務長官は12日、海外在住のシリア人の投票を認める選挙など、和平に向けたロードマップ(行程表)の重要性を強調した。
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