沖縄県や台湾近海での中国軍の動きが活発化している。防衛省によると21日、中国海軍空母・遼寧など計7隻が、宮古島と沖縄本島の間を通過した。前日の20日には、与那国島の南350キロの公海上で、同艦隊から戦闘機とみられる艦載機が発着したという。
また、遼寧海洋安全局は21日、同月20日から28日にかけて、黄海と渤海の海域の一部で軍事任務実施のため、船舶の運航を禁止すると発表した。中国国防部も同日、空母編隊が台湾近海のバシー海峡で演習を行ったと通知した。
中国1隻目の空母「遼寧」は、旧ソ連の建造したワリヤーグをウクライナから買い上げ、再構築したもの。2隻目の空母は、中国船舶重工集団が建造した。大連で2017年4月、進水式が行われ、装備の取り付け作業などが進められていた。
2012年の「遼寧」就役から6年、中国軍はゼロ体制だった空母打撃群の演習を急展開させている。中国の専門家は、2基目の国産空母002型の航行も近いとみている。
中国共産党体制は海洋戦略上、九州、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島を結ぶラインを「第一列島線」、そして小笠原諸島、グアム・サイパン、パプアニューギニアに至るラインを「第二列島線」と定める。どちらも対米防衛線として、制空権および制海権を握ることを狙った軍事演習を展開している。
第一列島線は南シナ海・東シナ海・日本海に米空母・原子力潜水艦が侵入するのを阻止するラインとなる。また、中国当局は、第一列島線から中国側の海域を「海洋領土」と呼び、この地域の海洋事業を国家発展戦略としている。
第二列島線は、台湾有事の際に、中国海軍がアメリカ海軍の増援を阻止・妨害する海域と推定されている。
香港の鳳凰新聞によると、演習では「実戦時」のように、海兵隊ら船員が空母に搭載された機器操作を習得する訓練を行うという。このたびの演習では、造船会社の社員も乗り込み、操作を監督すると報じた。
(編集・佐渡道世)
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