南シナ海で中比衝突激化 米空母「ジョージ・ワシントン」展開

2026/07/28 更新: 2026/07/28

先週、フィリピンと中国側は、南シナ海のセカンド・トーマス礁およびスカボロー礁周辺で複数回にわたり衝突した。その後、アメリカ海軍がインド太平洋地域に展開している空母「ジョージ・ワシントン」を中核とする空母打撃群が、南シナ海に入域し航行している。  

USNI Newsは7月27日、アメリカ海軍の空母「ジョージ・ワシントン」を旗艦とする空母打撃群が、フィリピン海で約2か月間活動した後、先週ルソン海峡を通過したと報じた。  

在フィリピン米国大使リー・リプトン(Lee Lipton)は7月24日、ソーシャルメディアXにおいて、「『ジョージ・ワシントン』空母打撃群は、F-35戦闘機を含む先進的な戦闘能力を備え、南シナ海における航行および上空飛行の自由を維持している。われわれは、世界各地における過度な海洋権益の主張に対し、異議を唱える」と投稿した。  

「ジョージ・ワシントン」空母、「ロバート・スモールズ」ミサイル巡洋艦、「ショウプ」および「ベンフォールド」駆逐艦で構成される空母打撃群は、7月24日、日本の海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」と共同訓練を実施した。これに先立ち、「ゆうだち」はフィリピン海軍艦艇およびアメリカ海軍沿海域戦闘艦「サンタバーバラ」とともに、南シナ海で海上協力活動を実施していた。  

25日、「サンタバーバラ」は南シナ海において、オーストラリア海軍補給艦「サプライ」(HMAS Supply, A195)と洋上補給を実施した。  

フィリピン軍によると、7月20日、セカンド・トーマス礁付近海域において、中国海警船がフィリピン側の船舶に危険な形で接近し、木製の棒で殴打し海軍兵士2人が負傷した。負傷した隊員は医療搬送を余儀なくされ、ゴムボート1隻も損壊した。この衝突は、これまでで最も深刻な中比間の衝突となった。  

アメリカの関与と同盟国フィリピン支援

ルビオ米国務長官は、このセカンド・トーマス礁での事案において、アメリカ軍が直接関与していたことを明らかにした。  

ルビオ長官は先週、ASEAN外相会議への出席中、記者団に対し次のように述べた。「われわれは条約同盟国を支援することにコミットしており、実際に多くの対応を行ってきた。事件発生時、同海域にはアメリカ沿岸警備隊の艦艇が展開しており、双方の間の緩衝役を果たすとともに、負傷者の救助および搬送の確保に貢献した」  

これらの「センチネル級」巡視船は、以前は中東地域に配備していたが、アメリカとイランの緊張の高まり以降、東南アジアへ再配備している。  

セカンド・トーマス礁での衝突後まもなく、フィリピンの漁船がスカボロー礁付近で操業中、中国の巡視船から妨害および阻止を受けた。フィリピン政府は24日、関連映像を公開し、中国船が高圧放水や危険な操船を行う様子を確認した。  

これに先立ち、中比間で一連の事案が発生したことを受け、アメリカ軍は空母打撃群を南シナ海に展開し、長期間にわたり巡航を行っていた。昨年秋、中国共産党(中共)がスカボロー礁に関して追加的な主張を行い、中国海警の小型船が威圧的な行動を取ったことを受け、アメリカ軍はルソン島西方海域に空母2隻を展開していた。  

南シナ海問題の背景「九段線」と国際裁定

中共は「九段線」を根拠に南シナ海のほぼ全域に主権を主張しているが、その一部はフィリピンやベトナムなどの排他的経済水域(EEZ)と重複しており、紛争の要因となっている。2016年7月12日、ハーグの国際仲裁裁判所は、中国の「九段線」主張には法的根拠がないとの裁定を下した。これに対し中共は判決を認めず、南シナ海における海警船および海上民兵の配備を強化している。  

夏雨
関連特集: 南シナ海問題