このほど、米ソーシャルメディア大手Facebookが、中国の企業との間で、Facebookユーザーの個人情報を提供していることが明らかになった。なかには、中国諜報機関のために情報収集するとされる通信大手の華為技術(ファーウェイ)が含まれている。
米紙ニューヨークタイムズ(5日付)によると、同社は世界各国約60社の企業との間で、データ情報を共有するとの契約を結び、ユーザー個人データにアクセスできる特別権限を与えている。60社のうち、ファーウェイのほか、パソコン最大手の聯想集団(レノボ)、スマートフォンメーカーのOPPO(オッポ)、家電大手のTCL集団などの中国企業が名を連ねる。
報道によると、少なくとも2010年からFacebookがファーウェイに特別なアクセス権限を与えている。同社は、今週中にファーウェイとの取り決めを終了させるとした。また、近く他の中国企業とのデータ共有も停止するとの意向を示した。
今年2月上旬、米共和党のトム・コットン上院議員らは、中国のファーウェイと中興通訊(ZTE)の通信機器について、米政府の購入やリースを禁止する法案を提出した。議員らは、両社は事実上中国当局の傘下部門で、米政府の情報を盗んでいると強調した。
同月中旬、米中央情報局(CIA)や米連邦捜査局(FBI)など情報機関の長官は、米政府機関とその職員のほか、一般市民も、ファーウェイとZTEの製品を使わないよう警告した。
米国防総省は5月、中国政府が米軍の動向を追跡し、通信を盗聴することができるとして、世界各国にある米軍基地内で、ファーウェイなどの製品販売を禁止した。
一方、ニューヨークタイムズによると、Facebookの担当者は、ファーウェイとのデータ共有について、「情報はすべて、デバイス(スマートフォン)に保存しており、ファーウェイのサーバーに保存されていない」と述べた。
米上院商業委員会は5日、Facebookに対して60社とされた企業の全リストを公開するよう質問状を送った。
2009年以降、Facebookは中国市場進出に強い意欲をみせてきた。創設者のマーク・ザッカーバーグ氏は16年3月、大気汚染が深刻な北京市でマスクなしでジョギングをしたほか、17年10月末に再訪中し、当局の高官らと会談し、共産党政権に歩み寄る姿勢を示していた。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。